裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成13(行コ)11
- 事件名
損害賠償請求控訴事件(原審・奈良地方裁判所平成12年(行ウ)第5号)
- 裁判年月日
平成13年6月26日
- 裁判所名
大阪高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
町から昼食の提供を受けたことが町に対する不法行為に当たるとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,監査委員個人に対してされた損害賠償請求が,認容された事例
- 裁判要旨
町から昼食の提供を受けたことが町に対する不法行為に当たるとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,監査委員個人に対してされた損害賠償請求につき,地方公共団体の執行機関が,その事務を遂行する過程において,事務を円滑に処理する上で,第三者に対し,社会通念上許される範囲内の接遇を行うことは,前記事務に随伴するものとして許容されるべきであると解され,当該接遇が社会通念上許される範囲内のものと判断し得る場合には,その費用を公金から支出することも許されるが,前記昼食の提供は,監査業務に必要な経費ではないことはもとより,町の財務,事務の執行の監査という監査業務の本来の性質にかんがみれば,一回につき600円と,昼食代金自体は決して高額ではないものの,監査委員が当該監査を受ける立場にある町から継続的に昼食の提供を受けている事態は,町の住民をして,監査委員による前記監査業務に不当な影響を与えているのではないかとの疑念を生じさせかねず,社会的に許容される範囲内の接遇とは到底認め難いから,前記昼食代の支出は違法であり,前記監査委員は,財務会計上の行為を監査すべき立場にある者であるから,町による昼食の提供が違法な公金の支出によるものであって町に対して損害を与えるであろうことを認識すべき注意義務があったにもかかわらず,同注意義務に違反し,漫然と昼食の提供を受けて,町に損害を与えたものであるから,民法(平成16年法律第147号による改正前)709条に基づく損害賠償義務を負うとして,前記請求を認容した事例
- 全文