裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
行政事件
- 事件番号
平成9(行コ)7
- 事件名
権利取得裁決と明渡裁決処分の取消等請求控訴事件(原審・松山地方裁判所平成5年(行ウ)第4号)
- 裁判年月日
平成13年5月29日
- 裁判所名
高松高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 権利取得裁決及び明渡裁決の後,対象土地の明渡しが完了した場合について,同土地の所有者は,前記明渡裁決の取消しを求める訴えの利益を有しないとされた事例 2 県収用委員会が河川改修工事事業についてした権利取得裁決に係る土地調書の作成手続等に違法があるなどとして,土地所有者がした前記裁決の取消請求が,棄却された事例
- 裁判要旨
1 権利取得裁決及び明渡裁決の後,対象土地の明渡しが完了した場合につき,明渡裁決は,起業者に目的物の現実的支配を得させる効果を有するものであり,同裁決により当該土地の所有者又は占有者が負う義務の内容は,土地の現実的支配を移転するための事実行為を行うことだけであるから,これらの事実行為が行われ明渡しが完了した場合は,同裁決は既にその目的を達しており,前記所有者らが前記明渡しについての原状回復を求めるためには,専ら権利取得裁決を争い,その取消しを求めれば足りるとして,前記所有者は,前記明渡裁決の取消しを求める訴えの利益を有しないとした事例 2 県収用委員会が河川改修工事事業についてした権利取得裁決に係る土地調書の作成手続等に違法があるなどとして,土地所有者がした前記裁決の取消請求につき,土地調書の作成手続に違法がある場合又は土地調書の記載内容が真実に反することの証明があった場合,収用委員会は,土地収用法47条に基づき,当該収用裁決申請を却下することができるときもあるが,却下せずに職権で土地調書の記載事項につき調査し,その結果に基づいて裁決することも許されると解されるから,前記土地調書の瑕疵は,直ちに前記権利取得裁決の取消原因とはならないし,そもそも前記土地調書に瑕疵は認められないなどとして,前記請求を棄却した事例
- 全文