裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成7(行ウ)13
- 事件名
損害賠償請求住民訴訟事件
- 裁判年月日
平成13年3月29日
- 裁判所名
津地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 市が事業団に委託した電気設備工事について,事業団が業者との間で締結した請負契約の代金は,業者らが談合し,事業団がこれに加担したことによって不当につり上げられたものであり,市がこれを負担することにより損害を被ったから,市は事業団及び業者に対し,不法行為による損害賠償請求権を有しているにもかかわらず,その行使を違法に怠っているとして,市の住民が地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,市に代位して,怠る事実に係る相手方である事業団及び業者に対し,損害賠償を求める訴えが,同法242条2項所定の監査請求期間の制限の適用はないとして,適法とされた事例 2 市が事業団に委託した電気設備工事について,事業団が業者との間で締結した請負契約の代金は,業者らが談合し,事業団がこれに加担したことによって不当につり上げられたものであり,市がこれを負担することにより損害を被ったから,市は事業団及び業者に対し,不法行為による損害賠償請求権を有しているにもかかわらず,その行使を違法に怠っているとして,市の住民が地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,市に代位して,怠る事実に係る相手方である事業団及び業者に対し,損害賠償を求める請求が,一部認容された事例
- 裁判要旨
1 市が事業団に委託した電気設備工事について,事業団が業者との間で締結した請負契約の代金は,業者らが談合し,事業団がこれに加担したことによって不当につり上げられたものであり,市がこれを負担することにより損害を被ったから,市は事業団及び業者に対し,不法行為による損害賠償請求権を有しているにもかかわらず,その行使を違法に怠っているとして,市の住民が地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,市に代位して,怠る事実に係る相手方である事業団及び業者に対し,損害賠償を求める訴えにつき,市と事業団との間の委託協定の締結が談合によって不当に高額になった請負金額を前提としたものとは認められないから,同委託協定が違法な財務会計行為であるということはできず,また,同委託協定に基づいてされた支出自体も,同委託協定が私法上無効であるとまではいうことはできないから,違法ということはできず,結局,違法又は無効な財務会計行為を観念することはできないといわざるを得ないから,住民監査請求が,財務会計行為が違法又は無効であることに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって怠る事実とする場合に当たるということはできず,監査請求期間の制限を受けないとして,前記訴えを適法とした事例 2 市が事業団に委託した電気設備工事について,事業団が業者との間で締結した請負契約の代金は,業者らが談合し,事業団がこれに加担したことによって不当につり上げられたものであり,市がこれを負担することにより損害を被ったから,市は事業団及び業者に対し,不法行為による損害賠償請求権を有しているにもかかわらず,その行使を違法に怠っているとして,市の住民が地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,市に代位して,怠る事実に係る相手方である事業団及び業者に対し,損害賠償を求める請求につき,談合が行われていたとする直接証拠はないものの,民事事件においては,刑事事件と異なり,談合の具体的方法等を微細にわたってまで認定する必要はなく,間接事実等に照らして,当該入札において談合がされたということ自体が推認できれば必要にして十分であると解すべきであるとした上,当該工事について,業者間の話合いによって当該業者を受注予定業者と決定したことは優に認定できることや,業者間において恒常的に受注調整が行われており,可能な限りで高額で落札し十分な利益を挙げることが目的とされていたこと,事業団発注の工事において,入札前に事業団の職員から予定価格の示唆を受けた落札予定業者の担当者が,他社に具体的な入札金額の指示を行うのが通常化していたこと,事業団は,業者らの幹事らに対し,年度の初めころには,発注予定工事の一覧表を交付し,同一覧表には予定金額が記載されていたこと,及び当該入札の落札率が高率であること等にかんがみれば,当該契約は談合によるものということができるとした上,市の損害額の算定については,極めて種々の仮定的条件を基礎としなければならず,著しい困難を伴うものといわざるを得ないとして,民事訴訟法248条を適用し,その損害額を契約金額の7パーセントと認定し,前記請求を一部認容した事例
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