裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成12(行コ)122
- 事件名
損害賠償請求控訴事件(原審・千葉地方裁判所平成10年(行ウ)第39号)
- 裁判年月日
平成13年3月27日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
市が一般職員に対してした勤勉手当の支給のうち定額金の支給は地方自治法204条の2の給与条例主義に反する違法な公金支出であるとして同法242条の2第1項4号前段に基づき市長個人に対してされた損害賠償請求が,棄却された事例
- 裁判要旨
市が一般職員に対してした勤勉手当の支給のうち定額金の支給は地方自治法204条の2の給与条例主義に反する違法な公金支出であるとして同法242条の2第1項4号前段に基づき市長個人に対してされた損害賠償請求につき,地方自治法204条2項の勤勉手当の支給に当たっては,個々の職員の勤務評定又は勤務成績を判定し,基礎額に期間率と成績率を乗じて支給額を決定することが必要であり,市の条例及び規則によっても,個々の職員の勤務成績によることなく職員の属する級に応じて定額金を加算するような決定方法は特段の事情がない限り許されないところ,前記定額金の支給に当たって前記特段の事情は認められないから,前記定額金の支給は違法であり,また,違法な公金の支出が回収されず,適法な公金の支出も行われていない段階では,市には,前記支出に係る額の損害があるといえ,その場合,単に適法な公金の支出が将来に行われる可能性があるというだけでは市の損害の発生を否定することはできないが,前記定額金の支給がされた当時は,市において,一挙に勤務成績評価による勤勉手当の支給を実現できない状況にあったものの,その実現に向けて相応の努力が重ねられる過渡期にあったということができ,市長は,市と職員及びその組合との間の労使関係が円満に維持されることにより市の業務が円滑に遂行され,その結果住民全体の利益が確保されるよう配慮して,やむを得ず,前記定額金の支給をしたものと認められ,市長には過失はなかったとして,前記請求を棄却した事例
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