裁判例結果詳細

事件番号

平成10(行ウ)130

事件名

退去強制令書発付処分取消請求事件

裁判年月日

平成13年3月15日

裁判所名

東京地方裁判所

分野

行政

判示事項

11歳の時に本邦に上陸し,在留期間を経過して不法残留しているボリヴィア国籍の未成年者が,出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく異議申出をしたのに対し法務大臣がした当該異議申出には理由がない旨の裁決は,在留特別許可を認めなかった点で違法であり,同裁決に基づいて主任審査官がした退去強制令書発付処分も違法であるとしてした当該裁決及び処分の取消請求が,いずれも認容された事例

裁判要旨

11歳の時に本邦に上陸し,在留期間を経過して不法残留しているボリヴィア国籍の未成年者が,出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく異議申出をしたのに対し法務大臣がした当該異議申出には理由がない旨の裁決は,在留特別許可を認めなかった点で違法であり,同裁決に基づいて主任審査官がした退去強制令書発付処分も違法であるとしてした当該裁決及び処分の取消請求につき,法務大臣のする在留特別許可の判断が違法となるのは,全く事実の基礎を欠き又は社会通念上著しく妥当性を欠くことが明らかであるなど,その有する裁量権の範囲を逸脱又は濫用した場合に限られるとした上,同人に対する在留特別許可を認めない場合には,同法53条1項により,その国籍の属するボリヴィアに送還することになるが,同人はボリヴィアの主要言語を全く理解できないことや,既に中国に送還されている両親からの十分な経済的援助が期待できるかどうか疑わしいことなどからすると,送還後に同人が生計を立てることは極めて困難というべきであり,場合によっては人間として最低限の人格的尊厳の保持や生存さえも危ぶまれることからすると,前記裁決は,甚だ人道に反し,社会通念に照らして著しく妥当性を欠くことが明らかであるから,裁量権の範囲を逸脱し又は濫用した違法があるというべきであり,また,同裁決に基づいてされた前記発付処分も違法であるとして,前記各請求を認容した事例

全文

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