裁判例結果詳細

事件番号

平成11(行コ)106

事件名

損害賠償請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成8年(行ウ)第54号)

裁判年月日

平成13年1月24日

裁判所名

大阪高等裁判所

分野

行政

判示事項

1 府から下水道施設建設工事を受託した事業団が指名競争入札を経て発注した前記工事の請負代金が,当該入札に参加した業者らの談合により不当に高額となったため,委託者たる府は同事業団に支払った金員の一部につき還付を受けられないといった損害を被ったにもかかわらず,損害賠償請求権の行使を違法に怠っているとしてされた住民監査請求につき,地方自治法242条2項所定の監査請求期間の制限は適用されないとした事例 2 府から下水道施設建設工事を受託した事業団が指名競争入札を経て発注した前記工事の請負代金が,当該入札に参加した業者らの談合により不当に高額となったため,委託者たる府は同事業団に支払った金員の一部につき還付を受けられないといった損害を被ったとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号後段に基づき前記事業団及び業者らに対してされた損害賠償請求が,棄却された事例

裁判要旨

1 府から下水道施設建設工事の受託した事業団が指名競争入札を経て発注した前記工事の請負代金が,当該入札に参加した業者らの談合により不当に高額となったため,委託者たる府は同事業団に支払った金員の一部につき還付を受けられないといった損害を被ったにもかかわらず,損害賠償請求権の行使を違法に怠っているとしてされた住民監査請求につき,同監査請求は,前記工事についての府と前記事業団との間の協定の締結及び同協定に基づく支出が違法,無効であることにより発生する実体法上の請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実としているのではなく,談合という共同不法行為による損害賠償請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実としているから,地方自治法242条2項所定の監査請求期間の制限は適用されないとした事例 2 府から下水道施設建設工事の受託した事業団が指名競争入札を経て発注した前記工事の請負代金が,当該入札に参加した業者らの談合により不当に高額となったため,委託者たる府は同事業団に支払った金員の一部につき還付を受けられないといった損害を被ったとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号後段に基づき前記事業団及び業者らに対してされた損害賠償請求につき,談合により請負金額がつり上げられても,府から同事業団に支払う委託料が増額することはなく,また,府と事業団とは,前記工事についての協定に定められた建設工事の施行に要する費用の直接費よりも同事業団が注文した請負金額が低額になったときは,その差額を還付する旨の合意をしていたところ,当該協定に定められた工事以外の工事の請負金額が明らかではなく,前記談合によって,同事業団が受託した工事の直接費の合計額よりも請負金額の合計額が低額であるとは認めることはできず,したがって,府が損害を被ったとはいえないとして,前記請求を棄却した事例

全文

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