裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
行政事件
- 事件番号
平成8(行ウ)205
- 事件名
固定資産評価審査決定取消請求事件
- 裁判年月日
平成12年11月17日
- 裁判所名
東京地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
固定資産課税台帳に登録された宅地の固定資産評価額に関する審査申出を棄却した固定資産評価審査委員会の審査決定の取消請求が,認容された事例
- 裁判要旨
固定資産課税台帳に登録された宅地の固定資産評価額に関する審査申出を棄却した固定資産評価審査委員会の審査決定の取消請求につき,固定資産税の課税標準又はその算定基礎となる土地の「適正な時価」とは,正常な条件の下に成立する当該土地の取引価格,すなわち,客観的な交換価値をいうが,課税対象となる土地は極めて大量に存在することから,限りある人的資源により,時間的制約の下において個々の土地について個別的,具体的に鑑定評価をすることは困難であることに照らすと,少なくとも評価額が客観的な交換価値を超える事態が生じないように,あらかじめ減額した数値をもって計算の基礎となる標準宅地の「適正な時価」として扱うことは合理的であるから,平成6年度の評価替えに当たり,公示価格の算定と同様の方法で評価した標準宅地の価格の7割程度の価格をもって適正な時価として扱うとのいわゆる7割評価通達(平成4年自治固第3号自治事務次官通達)に従った評価を行ったこと自体に違法はないが,地方税法は登録価格が賦課期日における対象土地の客観的交換価値を上回ることまでも許容するものではないから,登録価格が賦課期日における同土地の客観的交換価値を上回るときは,その限度で登録価格の決定は違法になるというべきところ,前記宅地における標準宅地の平成5年1月1日から平成6年1月1日までの地価下落率は,3割を超え,賦課期日である平成6年1月1日における前記標準宅地の適正な時価は少なくとも前記固定資産評価審査委員会が認定した価格を下回ることは明らかであるとして,前記請求を認容した事例
- 全文