裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成12(行コ)47
- 事件名
処分取消請求控訴、同附帯控訴事件(原審・神戸地方裁判所平成10年(行ウ)第44号)
- 裁判年月日
平成12年10月24日
- 裁判所名
大阪高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 建物の保存登記に際し登録免許税を納付した者が,阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(平成7年法律第11号,平成12年法律第13号による改正前)37条1項により同税は課せられないから誤納であったとしてした登録免許税法31条2項の請求に対し,登記官がした同条1項の通知をしない旨の回答が,行政処分に当たらないとされた事例 2 建物の保存登記に際し,阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律施行規則(平成7年大蔵省令第12号)20条1項の定める被災証明書の添付をせずに,登録免許税を納付した者が,同登記については阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(平成7年法律第11号,平成12年法律第13号による改正前)37条1項により同税は課せられないものであり,また,同項による大蔵省令への委任は白紙委任であるから無効であって,前記納付は誤納付であるとして,国に対してした前記納付に係る登録免許税額相当額の不当利得返還請求が,棄却された事例
- 裁判要旨
1 建物の保存登記に際し登録免許税を納付した者が,阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(平成7年法律第11号,平成12年法律第13号による改正前)37条1項により同税は課せられないから誤納であったとしてした登録免許税法31条2項の請求に対し,登記官がした同条1項の通知をしない旨の回答につき,法律に基づくものではあるが,その効力は国の機関の内部での通知を行わないというだけであって,同人の納付した登録免許税に係る誤納金返還請求権の存否に影響を与えるものではないとして,行政処分に当たらないとした事例 2 建物の保存登記に際し,阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律施行規則(平成7年大蔵省令第12号)20条1項の定める被災証明書の添付をせずに,登録免許税を納付した者が,同登記については阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(平成7年法律第11号,平成12年法律第13号による改正前)37条1項により同税は課せられないものであり,また,同項による大蔵省令への委任は白紙委任であるから無効であって,前記納付は誤納付であるとして,国に対してした前記納付に係る登録免許税額相当額の不当利得返還請求につき,租税関係の立法においては,具体的,個別的な委任がある場合に限り課税要件等に関する定めを省令等に委任することが許されるものの,白紙委任をすることは許されず,その委任の内容は法律の規定自体から一義的に明確でなければならないと解されるところ,同項は免税の実体的要件を証明すべき添付書類の内容の定めに限り省令に委任したものと解され,これを受けた同規則20条1項は,法律及び政令で定める免税の要件を証明すべき添付書類を定めているから,法律の委任の範囲に属する合理性のある規定であって有効であるとした上,同法37条1項の規定自体から,登記手続上一定の書類を添付しない場合には,免税の利益を失うことが読み取れるというべきであるから,前記納付は誤納付とは認められないとして,前記請求を棄却した事例
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