裁判例結果詳細

事件番号

平成11(行ウ)283

事件名

固定資産税賦課徴収懈怠違法確認請求事件

裁判年月日

平成12年8月29日

裁判所名

東京地方裁判所

分野

行政

判示事項

宗教法人の所有する不動産につき,固定資産税を賦課,徴収しないことが違法であるとして,地方自治法242条の2第1項3号に基づいて提起された都知事に対する前記税を賦課,徴収しないことの違法確認請求の訴えが,都知事は同号に規定する「当該執行機関又は職員」に該当しないとして,却下された事例

裁判要旨

宗教法人の所有する不動産につき,固定資産税を賦課,徴収しないことが違法であるとして,地方自治法242条の2第1項3号に基づいて提起された都知事に対する前記税を賦課,徴収しないことの違法確認請求の訴えにつき,同号に基づく怠る事実の違法確認請求は,地方公共団体の執行機関又は職員に対し,個人としてその職務懈怠の責任を追及することを目的としたものではなく,職務懈怠の違法を確認することによってその違法状態を除去し,もって地方公共団体の財務の適法性を確保することを目的としたものであるから,怠る事実の違法確認を求める相手方は,現に当該怠る事実に係る権限を有している者に限られるとした上,都知事は,徴収金の賦課徴収に関する事項を都税の納税地所管の各都税事務所長又は支庁長に委任している(地方税法3条の2及び東京都都税条例4条の3第1項)から,固定資産税の賦課徴収に関する権限は,都税事務所長等に属しており,都知事は前記権限を有していないものと解されるところ,都知事は,委任した事項について必要があると認める場合においては,都税事務所長等に指示をすることができ(同条例4条の3第9項),都税事務所長等に対する指揮監督権限を有しているものであるが,都知事の同権限の行使自体については,これを財務会計上の行為とみることはできず,仮に前記指揮監督権限の行使に懈怠があったとしても,これをもって地方自治法242条の2第1項3号にいう公金の賦課若しくは徴収を怠る事実に該当すると解することはできないとして,都知事は,同号に規定する「当該執行機関又は職員」に該当せず,前記訴えにつき被告適格を有しないとした事例

全文

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