裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成11(行ウ)19
- 事件名
公文書非開示処分取消請求事件
- 裁判年月日
平成12年6月28日
- 裁判所名
福井地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 知事部局総務部各所属の整理台帳(「不適切な事務処理方法により取得した備品」を記帳した管理簿)の公開請求に対し,知事が同請求に係る公文書は存在しないとの理由でした公開の可否を決定できない旨の通知が,行政処分たる非公開処分に該当するとされた事例 2 知事部局総務部各所属の整理台帳(「不適切な事務処理方法により取得した備品」を記帳した管理簿)が,福井県公文書公開条例2条1項に公開の対象として規定する「公文書」に当たるとされた事例
- 裁判要旨
1 知事部局総務部各所属の整理台帳(「不適切な事務処理方法により取得した備品」を記帳した管理簿)の公開請求に対し,知事が同請求に係る公文書は存在しないとの理由でした公開の可否を決定できない旨の通知につき,同通知は,前記文書が「公文書」に該当しないことを前提に,公開請求者が条例に基づいて前記文書の公開を受ける権利はないと判断したものに等しく,同人に対して前記文書の公開を受けることができなくなるという不利益を一方的に与えたものである上,行政庁である知事が,行政組織からみて外部である公開請求者に対して行った行為であるから,前記通知は行政処分たる非公開処分に該当するとした事例 2 福井県公文書公開条例2条1項は,公開の対象となる「公文書」について定義をしているところ,知事部局総務部各所属の整理台帳(「不適切な事務処理方法により取得した備品」を記帳した管理簿)は,県職員が自己の職務の範囲内において備品管理のために作成したものと推認することができ,同条例2条1項所定の「実施機関の職員が職務上作成または取得をした」との要件を満たし,また,前記整理台帳は,その記載内容や,実際の機能に照らしても,正規に購入した備品について作成される備品台帳に準じ,これと同一の機能を果たすべきものとして作成されたものと認められ,備品台帳が前記「公文書」に該当し,「決裁」の対象となる文書である以上,前記整理台帳もまた「決裁」の対象となるべき文書と解され,前記文書について,実際に「決裁」の手続が行われたとは認められないが,「決裁」の対象となるべき前記文書が作成された後,相当期間が経過していたと認められるから,同条例2条1項所定の「決裁の手続終了後」との要件をも満たすものと認めるのが相当であり,さらに,前記文書は,「決裁」の対象となる文書と解されるから「起案文書」であり,福井県文書規程(昭和61年福井県訓令第6号)により各所属長において保管,保存されるべき文書であるといえ,現実にも各所属において管理されているから,同条例2条1項所定の「県において管理されているもの」との要件も満たすものと解するのが相当であるとして,前記文書は同条例2条1項に公開の対象として規定する「公文書」に当たるとした事例
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