裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成11(行コ)30
- 事件名
林道使用不許可処分取消請求控訴事件(原審・福岡地方裁判所平成11年(行ウ)第1号)
- 裁判年月日
平成12年5月26日
- 裁判所名
福岡高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
産業廃棄物処理業者が産業廃棄物最終処分場への産業廃棄物運搬のためにした林道使用許可申請に対し市長がした不許可処分の取消請求が,認容された事例
- 裁判要旨
産業廃棄物処理業者が産業廃棄物最終処分場への産業廃棄物運搬のためにした林道使用許可申請に対し市長がした不許可処分の取消請求につき,前記林道は行政財産であるところ,地方自治法238条の4第4項の文言に照らせば行政財産を本来の用途又は目的を妨げない限度において,その目的から外れた使用を許可することができるものというべきであるが,前記林道は,道路法所定の道路ではなく,地域の森林保全及び営林事業の振興を図るという地域限定的かつ特定の目的で設置管理されたものであって,公共の用に供する物であることにかんがみれば,管理者である市長は前記林道の保全,他の利用者との調整等の観点に照らして合理的な範囲内で裁量権を有し,その裁量権を濫用ないし逸脱して許可,不許可をする場合には違法となるとした上,森林法等の規定に照らせば,前記林道の使用の許可,不許可は,基本的には林産物の搬出等のための交通の用に供される前記林道の維持保全を妨げるか否かの観点からされるべきであるところ,前記業者が設置した前記処分場の産業廃棄物の埋立面積は比較的小規模であり,搬入される物は安定5品目と呼ばれる物で少なくともそれ自体が直ちに前記林道を損傷させるような性質はないなど,産業廃棄物の量,性質,搬入頻度,運搬車両,前記林道の現実の利用状況に照らすと,前記業者の前記林道使用が,その維持保全を害するものとはいえず,他の利用者の妨げになるものとも到底いえないことは明らかであり,前記不許可処分は市長の裁量を逸脱した違法なものであるとして,前記請求を認容した事例
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