裁判例結果詳細

事件番号

平成10(行ウ)23

事件名

奈良県労働会館使用不許可処分取消等請求事件

裁判年月日

平成12年3月29日

裁判所名

奈良地方裁判所

分野

行政

判示事項

県の行政財産である労働会館について県知事がした使用不許可処分が違法であるとして県に対してされた国家賠償請求が,棄却された事例

裁判要旨

県の行政財産である労働会館について県知事がした使用不許可処分が違法であるとして県に対してされた国家賠償請求につき,同不許可処分が県知事の裁量の範囲を逸脱した違法なものであるというためには,前記会館の目的外使用許可の審査手続における申請者に対する取扱いが不適切であったという限度を超えて,同取扱いが何ら合理的な理由のない差別であると認められることが必要であるところ,前記会館の一部について,同会館の建築資金の一部を負担した団体の役員の大部分が役員に就任した団体に対して事務室としての使用を許可し,同団体が事務所として使用してきたという経緯があるところへ,他団体から同様に事務室としての使用許可申請がされた場合には,使用許可の判断に当たり,ひとまず前記の経緯を考慮して先使用団体に許可するとしても,合理性を欠くとまでいえないから,前記不許可処分は県知事の裁量を逸脱した違法な処分とまでは認め難く,また,行政手続法5条は,申請に対する処分に先立つ審査のために,行政庁に対し,できる限り具体的な審査基準の定立を義務付け,かつ同基準を原則として公表することとし,もって行政庁の許認可処分の透明性と公正さを確保するために設けられた規定であるが,そのような手続が履践されていないからといって,個々の行政処分が直ちに違法となるものと解すべき根拠はないから,同条違反を理由として前記不許可処分が違法になるということはできないとして,前記請求を棄却した事例

全文

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