裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成11(行コ)79
- 事件名
公害調停申請却下処分不存在確認請求控訴事件(原審 横浜地方裁判所平成10年(行ウ)第4号)
- 裁判年月日
平成12年2月10日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 公害紛争処理法26条1項に基づいてされた公害調停申請について県公害審査会がした却下決定が,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるとされた事例 2 公害紛争処理法26条1項に基づいてされた公害調停申請について,県公害審査会が明文の規定なしに行った却下決定が,適法とされた事例 3 公害紛争処理法26条1項に基づいてされた公害調停申請のうち県公安委員会に係る申請部分について,県公害審査会が,同委員会は行政主体の一執行機関にすぎないから法令に特別の規定がない限り公害調停の当事者能力を有しないとしてした却下決定が,適法とされた事例
- 裁判要旨
1 公害紛争処理法26条1項に基づいてされた公害調停申請について県公害審査会がした却下決定につき,公害調停の申請を受けた機関が,調停の申請を不適法として却下した場合は,公害調停を申請した者は,公害調停を通じて簡易迅速かつ適正な解決をする可能性を妨げられたことになるから,前記却下は,直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定するものであり,行政事件訴訟法3条2項及び4項にいう「行政庁の処分」に該当すると解されるとして,前記決定は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるとした事例 2 公害紛争処理法26条1項に基づいてされた公害調停申請について,県公害審査会が明文の規定なしに行った却下決定につき,前記申請については,公害調停制度に内在する制約として,公害紛争処理法の解釈として不適法でその欠陥を補正することができず,的確な調停が望み得ないような場合には,当該公害調停の申請を却下することができると解するのが相当であり,公害調停においては,調停を求める事項が,一見,不適法でその欠陥を補正することができないように見える場合であっても,調停手続を重ねることにより事案に則した妥当な調停が成立することもあることから,一般法である民事調停法と同様に明文で却下の規定を置くことなく,どのような場合にいつの時点で却下するかは解釈と運用に任せたものと解するのが相当であるとして,前記決定を適法とした事例 3 公害紛争処理法26条1項に基づいてされた公害調停申請のうち県公安委員会に係る申請部分について,県公害審査会が,同委員会は行政主体の一執行機関にすぎないから法令に特別の規定がない限り公害調停の当事者能力を有しないとしてした却下決定につき,公害調停は,被害者と加害者との間の民事に関する紛争を取り扱うものであり,公害調停について申請人,相手方となり得る者は,私権の主体たり得る者として,民事訴訟法上の当事者能力を有する者でなければならないと解すべきところ,同委員会は,県知事の所轄の下に置かれた執行機関にすぎないものであって,民事訴訟法上の当事者能力を有する者ではなく,また,同委員会を公害調停の当事者とすることを認める特別の法令は存在しないから,前記申請のうち同委員会に係る部分は不適法であるとして,前記決定を適法とした事例
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