裁判例結果詳細

事件番号

平成10(行ウ)1

事件名

公文書非公開決定処分取消請求事件

裁判年月日

平成11年10月18日

裁判所名

大津地方裁判所

分野

行政

判示事項

1 県警察本部警務部総務課の旅費の支出に関する文書に記録された情報のうち,警察組織における警察職員の特定や支払の相手方の特定に関する情報並びに支払時期及び支出金額に関する情報が,滋賀県公文書の公開等に関する条例(昭和62年滋賀県条例第37号)6条3号に非公開事由として規定する公共秩序維持情報に該当するとされた事例 2 県警察本部警務部総務課の懇談会費の支出に関する文書に記録された情報のうち,警察組織における警察職員の特定や支払の相手方の特定に関する情報が,滋賀県公文書の公開等に関する条例(昭和62年滋賀県条例第37号)6条3号に非公開事由として規定する公共秩序維持情報に該当するとされた事例 3 県警察本部警務部総務課の懇談会費の支出に関する文書に記載された情報のうち,支払等の時期に関する情報及び支出金額に関する情報が,滋賀県公文書の公開等に関する条例(昭和62年滋賀県条例第37号)6条3号に非公開事由として規定する公共秩序維持情報に該当しないとされた事例

裁判要旨

1 県警察本部警務部総務課の旅費の支出に関する文書に記録された情報のうち,警察組織における警察職員の特定や支払の相手方の特定に関する情報並びに支払時期及び支出金額に関する情報につき,警察職員の特定や支払の相手方の特定に関する情報が公開されると,警察職員の氏名や口座番号等が明らかになるとともに,その担当事務が特定されることになり,県警察の職員配置状況の一端が把握され,ひいては,当該職員やその家族のプライバシー等が侵害されたり,工作襲撃等の被害を受ける可能性も生じ,職員が不安感を覚えざるを得ない事態に至るおそれがあり,また,支払時期及び支払金額に関する情報が公開されると,これらと他の情報とを総合するなどして,捜査活動を遂行する上で秘匿されなければならない旅行日,旅行先,旅行の目的等の情報を把握され得ることになり,警察組織や警察職員に対する攻撃等が行われるなど犯罪行為の発生を未然に防止する活動や捜査が阻害されるおそれがあるなどとして,前記各情報は,滋賀県公文書の公開等に関する条例(昭和62年滋賀県条例第37号)6条3号に非公開事由として規定する公共秩序維持情報に該当するとした事例 2 県警察本部警務部総務課の懇談会費の支出に関する文書に記録された情報のうち,警察組織における警察職員の特定や支払の相手方の特定に関する情報につき,警察職員の特定に関する情報が公開されると,警察職員の氏名や口座番号等が明らかになるとともに,その担当事務が特定されることになり,県警察の職員配置状況の一端が把握され,ひいては,当該職員やその家族のプライバシー等が侵害されたり,工作襲撃等の被害を受ける可能性も生じ,職員が不安感を覚えざるを得ない事態に至るおそれがあり,また,支払の相手方の特定に関する情報が明らかになれば,懇談会費の受取人たる契約の相手方や懇談会の開催場所が明らかになり,当該受取人や開催場所が警察に協力的であるとして,警察に敵対する者の標的となることなどが予想され,ひいては,秘匿を前提として協力を得ていた懇談会出席者である警察情報提供者等の関係者に多大の不安感を生じさせ,あるいは,平穏な市民生活,社会の風紀等に対する障害を除去する警察活動等が阻害されるおそれがあるとして,前記各情報は,滋賀県公文書の公開等に関する条例(昭和62年滋賀県条例第37号)6条3号に非公開事由として規定する公共秩序維持情報に該当するとした事例 3 県警察本部警務部総務課の懇談会費の支出に関する文書に記載された情報のうち,支払等の時期に関する情報及び支出金額に関する情報につき,懇談会費は,警察目的達成のために,県警察本部長等と県警の協力者との間の意見交換や情報収集等のための懇談に要した経費であり,その支出と捜査活動との関連は薄いものといわざるを得ず,これを公開したとしても,関係者や関係施設への工作妨害等がされるおそれがあるとまではいえないとして,前記各情報は,滋賀県公文書の公開等に関する条例(昭和62年滋賀県条例第37号)6条3号に非公開事由として規定する公共秩序維持情報に該当しないとした事例

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