裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
行政事件
- 事件番号
平成8(行ウ)38
- 事件名
除害施設新設等届の不受理処分の取消請求事件
- 裁判年月日
平成11年3月1日
- 裁判所名
名古屋地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 市長がした下水道法12条の10及び市下水道条例に基づく除害施設新設等届の受付を拒否した行為が行政庁の処分に当たるとされた事例 2 市長がした下水道法12条の10及び市下水道条例に基づく除害施設新設等届の受理を拒否した行為の取消しを求める請求が,棄却された事例
- 裁判要旨
1 市長がした下水道法12条の10及び市下水道条例に基づく除害施設新設等届の受付を拒否した行為につき,行政事件訴訟法3条2項の「行政庁の処分」とは,国又は地方公共団体が行う行為のうち,その行為によって,直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものであると解されるところ,前記届出が受理されないと,前記除外施設の新設工事に着手することができず,除外施設が完成しなければ,公共下水道への排水の流入ができないことになるから,前記届出の受理を拒否することは,直接国民の権利義務を形成することが法律上認められているものとして,前記行為が行政庁の処分に当たるとした事例 2 市長がした下水道法12条の10及び市下水道条例に基づく除害施設新設等届の受理を拒否した行為の取消しを求める請求につき,前記受理拒否行為を行った理由と異なる理由でも,客観的に同行為時点で,適法であったと判断されるものであれば,同行為時に付された理由とは別の理由で適法と判断することも差し支えないとした上,下水とは「生活若しくは事業に起因し,若しくは附随する廃水又は雨水」(同法2条1号)をいうが,同法10条がその土地における下水を排出することを前提としていることは明らかであり,予定処理区域外の他の地方公共団体からの排水を予定処理区域に運搬して,何らの加工,処理等をすることなく下水として排出することは法が予定していないものであり,その趣旨からすると,予定処理区域外の他の地方公共団体からの排水を当該排水区域内に運搬し,そこで何らかの処理をした排水がすべて,同法2条にいう「事業に起因する」排水と解することはできないところ,前記届に係る施設は,そのままでは下水道に排出できない他の地方公共団体にある産業廃棄物処分場における浸出液を前記市の下水道に排出できる程度の状態にまで除害する施設であって,同施設からの廃水は,事業に起因するものではなく,同法12条の10及び前記条例の下水に該当せず,その除外施設の設置届出ということにならないから前記受理拒否行為は適法であるとして,前記請求を棄却した事例
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