裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
行政事件
- 事件番号
平成9(行ウ)3
- 事件名
建築確認不作為の違法確認請求,損害賠償請求事件
- 裁判年月日
平成10年9月30日
- 裁判所名
横浜地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
パチンコ店を開業する目的を隠し,書店を開業するという名目で市の開発事業指導要綱等に定める手続を履践して建物を建築した者が,建築基準法(平成11年法律第第87号による改正前)87条1項に基づいてしたパチンコ店への用途変更に伴う建築確認申請に対し,市建築主事が何らの処分もしないのは違法であるとしてした不作為の違法確認請求が,認容された事例
- 裁判要旨
パチンコ店を開業する目的を隠し,書店を開業するという名目で市の開発事業指導要綱等に定める手続を履践して建物を建築した者が,建築基準法(平成11年法律第87号による改正前)87条1項に基づいてしたパチンコ店への用途変更に伴う建築確認申請に対し,市建築主事が何らの処分もしないのは違法であるとしてした不作為の違法確認請求につき,一般に,建築主が行政指導に応じないとの意思を明確にした場合であっても,建築確認を留保することが常に違法となるわけではなく,建築主の受ける不利益と行政指導の目的とする公益上の必要性とを比較衡量し,行政指導に対する建築主の不協力が社会通念上正義の観念に反するといえるような特段の事情が存在するときは,その留保は違法とはならないとした上で,前記の者は,前記請求をしたことにより市の行政指導に応じないという意思を明確にしたものといえるが,同人は,市の行政指導に従って近隣住民に対する説明会を5回にわたって開催し,前記用途変更について説明するとともに,店舗の用途を偽って前記建物を建築した不公正を謝罪するなどしたのであるから,同請求をした時から一定期間を経過した後は,その不公正が社会通念上正義の観念に反するといえるような特段の事情は解消したものというべきであるとして,前記請求を認容した事例
- 全文