裁判例結果詳細

事件番号

平成9(行コ)6

事件名

損害賠償請求控訴事件

裁判年月日

平成10年5月28日

裁判所名

福岡高等裁判所

分野

行政

判示事項

町有地と私有地との違法な交換契約に基づく交換差金の支出命令が違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,町長個人に対してされた損害賠償請求が,認容された事例

裁判要旨

町有地と私有地との違法な交換契約に基づく交換差金の支出命令が違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,町長個人に対してされた損害賠償請求につき,普通地方公共団体が財産取得の契約を締結する際に,その対価を現金とするか,当該普通地方公共団体の財産とするかの選択や,これらの価格を決定すること等は,原則として,長の裁量にゆだねられているが,その裁量権の行使において,交換を選択したことが著しく合理性を欠くとか,正当な理由もなく,交換の目的財産相互について適正価格に比して著しく不均衡な価格決定をしたなどの事情があるときは,長による財産取得の契約締結には裁量権の逸脱又は濫用があったものとして,違法と評価すべきものであるとした上,前記交換契約は,交換の目的財産相互について著しく不均衡な評価をして,地権者に不当な利益を与えるとともに,町に不当な損失を被らせるものであり,同契約の目的が町道拡幅工事を緊急に完成させることにあったことや,地権者の強硬な姿勢により用地交渉が難航したことを勘案しても,交換の目的財産相互について著しく不均衡な価格決定をすることに正当な理由があったとはいえないから,町長が同契約を締結したことは,その裁量権を逸脱又は濫用した違法な行為であるというべきであって,これに基づく前記支出命令も違法であるとして,前記請求を認容した事例

全文

全文

ページ上部に戻る