裁判例結果詳細

事件番号

平成9(行コ)44

事件名

災害弔慰金不支給決定取消請求控訴事件

裁判年月日

平成10年4月28日

裁判所名

大阪高等裁判所

分野

行政

判示事項

1 災害弔慰金の支給等に関する法律(昭和48年法律第82号)3条及びこれを受けて制定された市の条例等に基づき災害弔慰金の支給請求をした者は,同請求に対して市長がした不支給決定の取消しを求める法律上の利益を有するとした事例 2 阪神大震災当時,病院の集中治療室で治療中であり,同震災発生の約1時間後に死亡した者の遺族が,災害弔慰金の支給等に関する法律(昭和48年法律第82号)3条及びこれを受けて制定された市の条例等に基づいてした災害弔慰金の支給請求に対し,市長がした不支給決定の取消請求が,認容された事例

裁判要旨

1 災害弔慰金の支給等に関する法律(昭和48年法律第82号)3条及びこれを受けて制定された市の条例が,災害により死亡した市民の遺族に対し災害弔慰金を支給するものとし,遺族の範囲及び支給金額を明確に規定していることからすれば,支給要件に該当する遺族は,災害弔慰金の給付を受ける権利を有するというべきであるから,前記法律及び前記条例等に基づき災害弔慰金の支給請求をした者は,同請求に対して市長がした不支給決定の取消しを求める法律上の利益を有するとした事例 2 阪神大震災当時,病院の集中治療室で治療中であり,同震災発生の約1時間後に死亡した者の遺族が,災害弔慰金の支給等に関する法律(昭和48年法律第82号)3条及びこれを受けて制定された市の条例等に基づいてした災害弔慰金の支給請求に対し,市長がした不支給決定の取消請求につき,前記震災当時,前記死亡者は昏睡状態にあり,同震災がなくても数時間ないし数日のうちに死亡していたものと推認することができるが,同人は,前記震災により機器類が停止し,集中治療室が機能していなかったため,通常受けられたと同様の延命治療措置を受けることができず,これが原因で死亡したのであるから,前記震災がなければ,治療の継続により,なお延命の可能性があり,少なくとも前記死亡の時期にはいまだ死亡という結果が生じていなかったものと認められるから,前記震災と死亡との間に相当因果関係があるとして,前記請求を認容した事例

全文

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