裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
行政事件
- 事件番号
平成8(行ウ)8
- 事件名
文書開示拒否処分取消請求事件
- 裁判年月日
平成10年4月14日
- 裁判所名
仙台地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 宮城県秘書課の食糧費に関する公文書に記録された行幸啓に関する情報が,宮城県の情報公開条例(平成2年宮城県条例第18号)9条7号が非開示事由として定める事務事業情報に該当しないとされた事例 2 県議会(議員及び職員)の出張に関する文書,県警察本部総務課職員の出張に関する文書及び県議会各会派に対する県政調査費交付に関する文書が,宮城県の情報公開条例(平成2年宮城県条例第18号)2条2項にいう「公文書」には該当しないとされた事例
- 裁判要旨
1 宮城県秘書課の食糧費に関する公文書に記録された,行幸啓等に際し,知事招宴等に支出された経費や宮内庁職員等による行程の事前調査のための懇談会費用に関する情報につき,行幸啓は閣議の決定に基づき宮内庁職員により宮廷費をもって処理される国家事務であると解されるから,これを迎える側にとっても公の事務であるところ,前記情報を公開することによって,その接遇の在り方等について一般の国民から何らかの批判等が出されることがあったとしても,それは公的な事柄に関する主権者の意見として十分尊重されなければならず,これを封ずべき理由はなく,また,接遇の具体的内容は迎える側が決めることであるから,これを公にしたからといって,皇室の権威が傷付くとはいえず,さらに,懇談会等の情報を事後に公開することにより事前調査の事実が明らかになるからといって,行幸啓に関する今後の警備に影響が生ずるおそれがあるとは認め難いことなどからすると,前記情報の開示は今後の行幸啓に関する支障と結び付くものではないとして,同情報は宮城県の情報公開条例(平成2年宮城県条例第18号)9条7号に非開示事由として定める事務事業情報に該当しないとした事例 2 県議会(議員及び職員)の出張に関する文書,県警察本部総務課職員の出張に関する文書及び県議会各会派に対する県政調査費交付に関する文書につき,宮城県の情報公開条例(平成2年宮城県条例第18号)2条2項の規定によれば,同項にいう「公文書」に当たるためには,同条1項所定の実施機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書であること,当該文書について決裁,供覧等の事務手続が終了していること,前記実施機関が管理していることの三つの要件を充足することが必要であるところ,県議会及び県公安委員会が同実施機関に含まれていないことは明らかである上,前記各文書は,いずれも県議会及び県警察本部の各担当部署の職員が作成,取得し,これらの機関が保管,保存しているものであるから,前記「公文書」には該当しないとした事例
- 全文