平成9(行ケ)2

裁決取消請求事件

平成10年3月17日

福岡高等裁判所

行政

町長選挙において，不在者投票事由についての審査義務を尽くさないまま不在者投票を認めた違法が選挙の結果に異動を及ぼすおそれがあるとして，前記選挙を無効とした県選挙管理委員会の裁決が，取り消された事例

町長選挙において，不在者投票事由についての審査義務を尽くさないまま不在者投票を認めた違法が選挙の結果に異動を及ぼすおそれがあるとして，前記選挙を無効とした県選挙管理委員会の裁決につき，選挙人から投票用紙等の交付の請求を受けた選挙管理委員会の委員長は，宣誓書等において，選挙当日の不在理由が公職選挙法（平成９年法律第１２７号による改正前）４９条所定の不在者投票事由に該当することが一見して明白な程度に記載されておらず，従前の知識や選挙人の身体状況等を参酌しても不明である場合には，選挙人に口頭等により補足説明を求め，その内容を合わせ考慮して，当該不在理由が不在者投票事由に該当するかどうかを具体的かつ厳正に審査しなければならないところ，前記選挙における町選挙管理委員会委員長の不在者投票に関する管理執行手続には一部前記審査義務を尽くしていない違法があるが，違法がある不在者投票の票数が当選人と次点者の間の得票差を下回り，その違法は前記選挙の結果に異動を及ぼすおそれがあるということはできないとして，前記裁決を取り消した事例

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