裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成6(行コ)34
- 事件名
公文書非開示決定取消請求控訴事件
- 裁判年月日
平成10年3月16日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 栃木県知事の交際費に関する公文書に記録された情報が栃木県公文書の開示に関する条例(昭和61年栃木県条例第1号)6条5号に非開示事由として規定する事務事業情報に当たるか否かについての主張立証責任 2 栃木県知事の交際費に係る現金出納簿に記録された「御祝」,「御見舞」,「生花」,「広告」,「賛助」並びに「雑費及び寸志」中の「賞品等」及び「みやげ等」の支出に関する情報のうち,交際の相手方が識別され得る情報が,栃木県公文書の開示に関する条例(昭和61年栃木県条例第1号)6条5号に非開示事由として規定する事務事業情報に当たるとされた事例 3 栃木県知事の交際費に係る現金出納簿に記録された「雑費及び寸志」中の「負担金等」の支出に関する情報が,栃木県公文書の開示に関する条例(昭和61年栃木県条例第1号)6条5号に非開示事由として規定する事務事業情報に当たらないとされた事例
- 裁判要旨
1 栃木県知事の交際費に関する公文書に記録された情報が栃木県公文書の開示に関する条例(昭和61年栃木県条例第1号)6条5号に非開示事由として規定する事務事業情報に当たるというためには,実施機関は,当該情報に係る交際が通常の儀礼的交際としてされたものであり,かつ,その相手方が識別され得るものであることを主張立証すれば足り,これにより,相手方の名称等が外部に公表,披露されることがもともと予定されているものなど,相手方の名称等を公表することによって,交際の相手方との間の信頼関係若しくは友好関係を損なうおそれ,交際自体の目的に反し,ひいては交際事務の実施の目的が失われるおそれ,又は知事の交際事務の適切な実施を著しく困難にするおそれがあるとは認められないようなものであるという例外的に前記事務事業情報に当たらないこととなる特別事情が存在しないことも同時に推認される。 2 栃木県知事の交際費に係る現金出納簿に記録された「御祝」,「御見舞」,「生花」,「広告」,「賛助」並びに「雑費及び寸志」中の「賞品等」及び「みやげ等」の支出に関する情報のうち,交際の相手方が識別され得る情報につき,これらの情報に係る交際は,いずれも前記知事の儀礼的交際としてされたものであって,相手方の名称等が外部に公表,披露されることがもともと予定されているものとはいえず,前記各情報を開示することにより,相手方との間の信頼関係若しくは友好関係を損なうおそれ,交際自体の目的に反し,ひいては交際事務の実施の目的が失われるおそれ,又は前記知事の交際事務の適切な実施を著しく困難にするおそれがあるとは認められないような特別事情もないとして,前記各情報は,栃木県公文書の開示に関する条例(昭和61年栃木県条例第1号)6条5号に非開示事由として規定する事務事業情報に当たるとした事例 3 栃木県知事の交際費に係る現金出納簿に記録された「雑費及び寸志」中の「負担金等」の支出に関する情報につき,この支出は,前記知事が負担金制,会費制の会合に出席した際にあらかじめ決められていた金額を支出したものであると認められるところ,同支出は同知事の儀礼的交際としてされたものとはいえず,同知事の前記会合への出席及び負担金等の支出の事実は公表されることが予定されているものではないとしても,同支出の有無,金額について同知事の裁量が働く余地はないことなどに照らすと,これらの事実が開示されたとしても,知事の交際事務に支障が生ずるとは考え難いとして,前記情報は,栃木県公文書の開示に関する条例(昭和61年栃木県条例第1号)6条5号に非開示事由として規定する事務事業情報に当たらないとした事例
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