裁判例結果詳細

事件番号

平成9(行ウ)5

事件名

公文書非開示決定取消請求事件

裁判年月日

平成10年2月18日

裁判所名

富山地方裁判所

分野

行政

判示事項

1 県監査委員事務局の出勤簿中の「職」,「氏名」,「採用年月日」,「退職年月日」の各欄に記録された情報,出勤及び出張に関する情報並びに職務専念義務の免除及び県等が主催する厚生事業への参加に関する情報が,富山県情報公開条例(昭和61年富山県条例第51号)10条2号に非開示事由として規定する個人情報に当たらないとされた事例 2 県監査委員事務局の出勤簿中の「前年からの繰越日数」,「翌年への繰越日数」の各欄に記録された情報,各種休暇に関する記載並びに「育児休業」,「休職」,「停職」及び「欠勤」の記載が,富山県情報公開条例(昭和61年富山県条例第51号)10条2号に非開示事由として規定する個人情報に該当するとされた事例 3 県監査委員事務局の出勤簿の開示請求に対しその全部を非開示とした決定が,一部違法とされた事例

裁判要旨

1 県監査委員事務局の出勤簿中の「職」,「氏名」,「採用年月日」,「退職年月日」の各欄に記録された情報,出勤及び出張に関する情報並びに職務専念義務の免除及び県等が主催する厚生事業への参加に関する情報につき,これらは,公務員としての地位若しくは資格に関する情報又は公務若しくは公務に準ずる任務の遂行に関する情報であって,公務員の社会的地位からすると,県民らによる批判の対象となるべきものであるとして,富山県情報公開条例(昭和61年富山県条例第51号)10条2号に非開示事由として規定する個人情報に当たらないとした事例 2 県監査委員事務局の出勤簿中の「前年からの繰越日数」,「翌年への繰越日数」の各欄に記録された情報,各種休暇に関する記載並びに「育児休業」,「休職」,「停職」及び「欠勤」の記載につき,休暇の取得等の理由,時期及び期間は当該職員の私生活に密接にかかわるものであるから個人に関する情報に当たる上,これらの情報と公務に関する情報として開示すべきである前記出勤簿中の「職」,「氏名」欄に記載された情報とを併せ判断すれば特定の個人が識別され得るとして,前記各情報は,富山県情報公開条例(昭和61年富山県条例第51号)10条2号に非開示事由として規定する個人情報に当たるとした事例 3 県監査委員事務局の出勤簿の開示請求に対しその全部を非開示とした決定につき,同出勤簿には公務員の私生活に関する情報として開示すべきではない休暇等に関する記載と公務に関する情報として開示すべきである出張等に関する記載が重なり合っている部分のある場合があるものの,それ以外の場合には,前記開示すべきではない情報が記載された部分と開示すべき情報が記載された部分とを分離することは容易であると認められ,また,前記出勤簿に記録された情報のうち,前記開示すべきではない情報が記載された部分及び前記記載が重なり合っている部分と前記開示すべき情報のみが記載されている部分とは開示の趣旨を損なわない程度に分離できるから,富山県情報公開条例(昭和61年富山県条例第51号)11条に規定する部分開示の要件を満たすとして,開示すべきではない部分を除いた部分を開示しなかった限度で前記決定を違法とした事例

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