裁判例結果詳細

事件番号

平成8(行コ)3

事件名

損害賠償請求控訴事件

裁判年月日

平成9年5月22日

裁判所名

大阪高等裁判所

分野

行政

判示事項

1 地方自治法242条の2第1項4号前段に基づく損害賠償請求訴訟において,行政事件訴訟法15条の準用により被告の変更をすることができるとした上,変更後の被告との関係において,改めて住民監査請求を経ることは要しないとした事例 2 架空の会合の費用の名目で市の公金が支出された場合に公金支出決定をした専決権者に対してされた地方自治法242条の2第1項4号前段に基づく損害賠償請求が,認容された事例 3 地方自治法242条の2第1項4号前段に基づく損害賠償請求訴訟において行政事件訴訟法15条1項の準用により被告が変更され,その時点で変更後の被告に係る損害賠償請求権の消滅時効期間が経過していた場合,前記訴訟の提起により時効中断の効果が発生するものと解するのが相当であるとした事例(本判示事項は行裁集には不登載)

裁判要旨

1 地方自治法242条の2第1項4号前段に基づく損害賠償請求訴訟において,行政事件訴訟法15条の準用により被告の変更が許されるとした上,監査請求の対象とされた行為又は事実と被告変更決定後の住民訴訟において審判の対象とされている行為又は事実とは同一であると認められるから,変更後の被告らに対する訴えにつき改めて住民監査請求を経る必要はないとした事例 2 架空の会合の費用の名目で市の公金が支出された場合に公金支出決定をした専決権者に対してされた地方自治法242条の2第1項4号前段に基づく損害賠償請求につき,同法232条以下の支出に関する定めや,地方財政法4条等の関係法令によって,財務会計行為は予算の範囲内において正確,厳正,公正に処理されることが求められており,真実に合致した会計処理をすべきことがその前提とされているといえるから,虚偽架空の事実に基づいて会計処理が行われ,公金が支出された場合,かかる公金支出はそれだけで当然に違法であるなどとして,前記請求を認容した事例 3 地方自治法242条の2第1項4号前段に基づく損害賠償請求訴訟において行政事件訴訟法15条1項の準用により被告が変更され,その時点で変更後の被告に係る損害賠償請求権の消滅時効期間が経過していた場合,既に住民監査請求を経て監査の対象とされた行為又は事実と前記訴訟において審判の対象とされた行為又は事実とが同一である以上,変更後の被告に対する関係においても前記訴訟の提起時に,権利の不行使という事実状態がなくなり,権利の上に眠る者でもなくなったと評価できるから,前記訴訟の提起により時効中断の効果が発生するものと解するのが相当であるとした事例(本要旨は行裁集には不登載)

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