裁判例結果詳細

事件番号

平成8(行コ)106

事件名

建築確認申請却下処分取消請求控訴事件

裁判年月日

平成9年4月15日

裁判所名

東京高等裁判所

分野

行政

判示事項

1 建築基準法40条所定の「風土」の意義 2 建築物の敷地が路地状部分のみによって道路に接する場合には,当該路地状部分の幅員は同部分の長さに応じて所定の数値としなければならない旨規定する横浜市建築基準条例(昭和35年横浜市条例第20号)4条と建築基準法との関係 3 建築基準法6条1項に基づく建築確認申請に対し,市建築主事が,前記申請に係る建築物の計画は,建築物の敷地の形態を定める横浜市建築基準条例(昭和35年横浜市条例第20号)4条に適合しないとして,同法6条4項に基づいてした不適合通知が,適法とされた事例

裁判要旨

1 建築基準法40条所定の「風土」とは,地質,地形等その地方に特有な自然的条件を意味するのみならず,自然的環境の影響を受けて形成された当該地方の物産,人口の疎密などその地方の社会的実情ないし社会的条件をも含むものと解すべきである。 2 建築物の敷地が路地状部分のみによって道路に接する場合には,当該路地状部分の幅員は同部分の長さに応じて所定の数値としなければならない旨規定する横浜市建築基準条例(昭和35年横浜市条例第20号)4条は,建築基準法40条所定の「風土」に含まれるものと解される都市部における住居の密集等の社会的実情ないし社会的条件の特殊性にかんがみ,個々の建築物の衛生や安全を図るためのいわゆる単体規制として,同条を根拠として定められたものと解すべきであり,建築物の集合に伴う都市環境の悪化や火災等の危険に対処し,安全,快適な市街地を形成するためのいわゆる集団規制として,同法(平成7年法律第13号による改正前)43条に基づいて定められたものであるとは解されない。 3 建築基準法6条1項に基づく建築確認申請に対し,市建築主事が,前記申請に係る建築物の計画は,建築物の敷地の形態を定める横浜市建築基準条例(昭和35年横浜市条例第20号)4条に適合しないとして,同法6条4項に基づいてした不適合通知につき,前記条例の規定は,建築基準法40条に基づくものであり,また,前記条例の規定によって同法(平成7年法律第13号による改正前)43条1項に定める接道義務を加重するのと同様の効果を生ずるとしても,同条は,条例が個々の建築物の衛生,安全の観点から路地状部分の形態に関する制限を付加することを禁じているものとは解されないから,前記条例の規定が同条に違反するものではないなどとして,前記不適合通知を適法とした事例

全文

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