裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成4(行コ)146
- 事件名
損害賠償請求控訴事件
- 裁判年月日
平成7年10月31日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 市長が土地開発公社による土地の売渡しを差し止める命令を発しなかったことが違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき提起された市長個人に対する損害賠償請求の訴えが,前記命令を発しなかったことは財産の管理を怠る事実に当たらないとして,却下された事例 2 地方自治法237条2項にいう議会の議決があったとされるためには,議会において譲渡の必要性,妥当性についての審査を経て議決がされることを要し,かつ,そのことをもって足りるとした事例
- 裁判要旨
1 市長が公有地の拡大の推進に関する法律19条1項に基づき土地開発公社による土地の売渡しを差し止める命令を発しなかったことが違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき提起された市長個人に対する損害賠償請求の訴えが,前記命令は一般行政上の権限によるものであり,これを発しなかったことは同法242条1項所定の財産の管理を怠る事実に当たらないとして,却下された事例 2 地方自治法237条2項にいう議会の議決があったとされるためには,適正な対価なくしてされる譲渡又は貸付けにつき議会においてその必要性,妥当性についての個別的審査を経て議決がされることを要し,かつ,そのことをもって足りるというべきであるから,当該議決が,譲渡又は貸付けについての議決を求める個別の議案に対してされるか,譲渡又は貸付けに係る歳入歳出項目が計上された予算に対してされるか,また,議決事件のうち,譲渡又は貸付けに係る部分のみを対象としてされるか,その余の部分と一括してされるかを問わないとした上,土地の売渡しにつき,市議会での予算審査において,当該土地の所在,使用状況の概略,面積,1平方メートル当たりの価格が明らかにされたのであるから,当該財産の譲渡についての必要性,妥当性の審査が遂げられたものといえるとした事例
- 全文