裁判例結果詳細

事件番号

平成1(行ウ)22

事件名

違法支出補填請求事件

裁判年月日

平成6年2月18日

裁判所名

大阪地方裁判所

分野

行政

判示事項

1 公務員等の懲戒免除等に関する法律(昭和27年法律第117号)5条に基づく条例の定めるところにより賠償の責任に基づく債務を減免されることのできる職員の範囲 2 水道企業の会議,接待の費用であるとしてされた公金の支出が違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号前段に基づき,府水道部総務課長個人に対してされた損害賠償請求が,当該公金の支出は違法であり,同人は損害賠償責任を負うところ,その責任に基づく債務は公務員等の懲戒免除等に関する法律(昭和27年法律第117号)5条ただし書に該当し,減免の対象とならないなどとして,認容された事例

裁判要旨

1 公務員等の懲戒免除等に関する法律(昭和27年法律第117号)の立法の経緯や,国等の職員につきいわゆる出納職員のみならず予算執行職員等に対しても弁償責任を減免し得ると定められている趣旨は地方公共団体の職員の賠償責任についても変わりがないと解されることなどからすれば,同法5条に基づく条例の定めるところにより賠償の責任に基づく債務を減免されることのできる職員には,地方自治法243条の2第1項前段所定のいわゆる出納職員等のみならず同項後段所定のいわゆる予算執行職員等も含まれると解するのが相当である。 2 水道企業の会議,接待の費用であるとしてされた公金の支出が違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号前段に基づき,府水道部総務課長個人に対してされた損害賠償請求につき,同人は,内容虚偽の経費支出伺を作成させ,自らこれを決裁して違法な公金の支出をしたものであるから,それによって府が被った損害を賠償する責任を負うところ,公務員等の懲戒免除等に関する法律(昭和27年法律第117号)5条ただし書にいう「犯罪行為に因る賠償の責任」とは,犯罪行為そのものによって地方自治体に損害を与えた場合のみならず犯罪行為と賠償の責任との間に直接的な因果関係が存在する場合をも含むと解すべきであり,同人の虚偽公文書作成罪等に当たる行為が,違法な公金の支出がされるについての中核的な手段であり,同人の賠償の責任との間に直接的な因果関係が存在することからすれば,当該行為は,債務の減免の対象とはならないというべきであるとして,前記損害賠償請求が認容された事例

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