裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
平成3(行コ)12
- 事件名
鉱害賠償債務不存在確認請求控訴事件
- 裁判年月日
平成5年11月18日
- 裁判所名
福岡高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 石炭鉱害賠償等臨時措置法11条の6に基づく地方鉱業協議会の鉱害賠償に関する裁定に対する不服の訴えの性質と鉱害賠償債務の存否確認又は給付に関して裁判所が地方鉱業協議会のした裁定と異なる判断をする場合の判決主文 2 鉱害賠償債務の不存在確認のみを請求の趣旨として掲げている訴えについて,裁定の取消しを求める趣旨が包含されていると解することができるとした事例 3 石炭鉱害賠償等臨時措置法11条の6に基づく地方鉱業協議会の鉱害賠償に関する裁定に対する不服の訴えにおいて,当該裁定には,賠償責任の存否について結論を誤った瑕疵があるから取り消すべきであるとした事例
- 裁判要旨
1 石炭鉱害賠償等臨時措置法11条の6に基づく地方鉱業協議会の鉱害賠償に関する裁定に対する不服の訴えは,いわゆる形式的当事者訴訟であり,裁定に対する一種の抗告訴訟であって,裁定の公定力,不可争力の排除を目的とした訴訟であるが,鉱害賠償債務の存否確認又は給付請求を本来的な対象として予定しているから,判決においては裁定取消しと同時に確認又は即時給付の主文を掲げることができ,また,外形的に存在する裁定の効力の消長を明らかにする趣旨で,裁定を取り消す旨の主文を確認等の主文と併せて掲げるのが相当である。 2 鉱害賠償債務の不存在確認のみを請求の趣旨として掲げている訴えにつき,当該訴えが石炭鉱害賠償等臨時措置法11条の6に基づく訴えとして提起されていることが明らかであるから,裁定の取消しを求める趣旨が当然包含されていると解することができるとした事例 3 石炭鉱害賠償等臨時措置法11条の6に基づく地方鉱業協議会の鉱害賠償に関する裁定に対する不服の訴えにおいて,裁定の法的責任の存否に関する認定判断については同協議会の行政的裁量を許容する余地はないと解すべきところ,当該裁定には,建物に発生した損傷が鉱害打切賠償の合意の対象に含まれていたか否かの点につき事実の認定判断を誤り,賠償責任の存否について結論を誤った瑕疵があるから取り消すべきであるとした事例
- 全文