裁判例結果詳細

事件番号

平成4(行コ)36

事件名

閲覧不許可処分取消等,損害賠償請求控訴事件

裁判年月日

平成5年7月29日

裁判所名

東京高等裁判所

分野

行政

判示事項

1 未決拘禁者に対する図書閲読不許可処分の取消しを求める訴えが,移監に伴う同処分の効力喪失により,訴えの利益を欠くに至ったとして,却下された事例 2 未決拘禁者に対する拘置所長による図書閲読不許可処分が違法であるとして提起された国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求が,前記不許可処分は,一般教養書を対象としその中の外国語による自筆草稿の写真掲載部分につきその翻訳料の負担等を求め,これに応じないことを理由としてされたものであり,合理性を欠き違法であるとして,認容された事例

裁判要旨

1 未決拘禁者に対する図書閲読不許可処分の取消しを求める訴えが,同処分の効力は移監により監獄の長とその在監者という身分関係が消滅したのに伴い消滅したから,訴えの利益を欠くに至ったとして,却下された事例 2 未決拘禁者に対する拘置所長による図書閲読不許可処分が違法であるとして提起された国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求につき,前記不許可処分は,「ニーチェ」と題する一般教養書を対象としその中のニーチェのドイツ語による自筆草稿の写真掲載部分につきその翻訳料の負担等を求め,これに応じないことを理由としてされたものであり,同図書の性格及び社会的評価,著者,図書の主題及び内容,当該掲載部分の体裁及び役割等に照らすと,当該掲載部分は監獄規律等を害するおそれのないものとして翻訳を要しないとするのが合理的であるから,合理性を欠く違法な処分であるとして,前記損害賠償請求が認容された事例

全文

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