裁判例結果詳細

事件番号

昭和58(行コ)60

事件名

国税犯則取締法第2条に基づく差押許可状の取消請求等,損害賠償請求,行政事件訴訟法第19条による請求の追加的併合控訴

裁判年月日

平成4年3月30日

裁判所名

東京高等裁判所

分野

行政

判示事項

1 国税犯則取締法2条に基づく臨検・捜索・差押許可状に基づき収税官吏がした差押えの対象物がすべて還付された場合における当該差押処分の効力 2 国税犯則取締法2条に基づく臨検・捜索・差押許可状に基づき収税官吏がした帳簿書類等に対する差押処分のうち,収税官吏においてその複写物を作成してこれを占有した上で原本を還付した差押物に係る部分の取消訴訟の訴えの利益 3 国税犯則取締法2条1項による強制調査は,犯則嫌疑者以外の第三者に対しても許されるか 4 国税犯則取締法2条に基づく臨検・捜索・差押許可状の発付並びにその請求及び強制調査に違法がないとした事例

裁判要旨

1 国税犯則取締法2条に基づく臨検・捜索・差押許可状に基づき収税官吏がした帳簿書類等に対する差押処分の効力は,差押物がすべて還付された場合には,収税官吏においてその複写物を作成及び占有していたとしても,既に消滅している。 2 国税犯則取締法2条に基づく臨検・捜索・差押許可状に基づき収税官吏がした帳簿書類等に対する差押処分のうち,収税官吏においてその複写物を作成してこれを占有した上で原本を還付した差押物に係る部分の取消訴訟の訴えは,同処分が取り消されれば同複写物の返還義務が発生するというものではなく,また,同処分が取り消されない限り同複写物の引渡しなどを求めることができないという関係にもないから,訴えの利益を欠き,不適法である。 3 国税犯則取締法2条1項による強制調査は,犯則嫌疑者のみならず第三者に対しても許される。 4 国税犯則取締法2条1項に基づく臨検・捜索・差押許可状の発付並びに収税官吏がした当該許可状の請求及び国税犯則取締法2条1項による強制調査に,実体上も手続上も違法がないとした事例

全文

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