裁判例結果詳細

事件番号

昭和62(行ウ)95

事件名

閲読不許可処分取消等請求,損害賠償請求事件

裁判年月日

平成4年3月16日

裁判所名

東京地方裁判所

分野

行政

判示事項

1 未決拘禁者に対する図書閲読不許可処分の取消しを求める訴えが,移監に伴う同処分の効力喪失により,訴えの利益を欠くに至ったとして,却下された事例 2 行政処分の取消請求訴訟と損害賠償請求訴訟とが併合提起された場合において,関連請求の要件を欠いたり,取消請求訴訟が不適法であるときの当該損害賠償請求訴訟の適法性 3 未決拘禁者の外国語図書の閲読について,検閲のための翻訳料をすべて本人に負担させる旨の矯正局長通諜の定めは,法令上の根拠を有するか

裁判要旨

1 未決拘禁者に対する図書閲読不許可処分の取消しを求める訴えが,同処分の効力は移監により監獄の長とその在監者という身分関係が消滅したのに伴い同時に消滅したから,訴えの利益を欠くに至ったとして,却下された事例 2 行政処分の取消請求訴訟と損害賠償請求訴訟とが併合して提起された場合において,当該損害賠償請求訴訟が行政事件訴訟法にいう関連請求の要件を欠いたり,あるいは,併合して提起された行政処分の取消請求訴訟が不適法であったとしても,当該損害賠償請求訴訟について独立に訴えの適法要件が備わっているときには,当該損害賠償請求の併合がその行政処分の取消請求と同一の訴訟手続内で審判されることを前提とし,専らこのような併合審判を受けることを目的としてされたものと認められるような特別の事情のない限り,当該損害賠償請求訴訟は適法なものというべきである。 3 未決拘禁者の外国語図書の閲読について,検閲のための翻訳料をすべて本人に負担させる旨の「外国文の看読書籍の翻訳料について」(昭和36年8月18日矯正甲第718号矯正局長通牒)の定めは,当該図書の内容の審査をするための措置についてのものであり,監獄法31条2項を受けて監獄の管理運営上の必要からする図書等の閲読の制限について定める監獄法施行規則86条2項を根拠とし,その細目を定めたものと解することができるから,法令上の根拠を有する。

全文

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