裁判例結果詳細

事件番号

平成3(行ウ)15

事件名

一般廃棄物処理業及び浄化槽業の各不許可処分取消請求事件

裁判年月日

平成3年11月29日

裁判所名

名古屋地方裁判所

分野

行政

判示事項

1 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成3年法律第95号による改正前)7条2項1号の「市町村による一般廃棄物の収集,運搬及び処分」は,市町村長の許可を受けた民間業者による一般廃棄物の収集,運搬及び処分を含むか 2 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成3年法律第95号による改正前)7条の一般廃棄物処理業の許可の制度の趣旨及び法的性質 3 一般廃棄物処理業の許可申請に対し,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成3年法律第95号による改正前)7条2項1号に適合していないとして町長がした不許可処分につき,その認定判断には裁量権の逸脱又は濫用があり,前記許可申請は同条2項1号ないし4号に適合していると認められるところ,同条の許可については効果裁量は認められないから,前記不許可処分は違法であるとして,同処分が取り消された事例 4 浄化槽法35条の浄化槽清掃業の許可の制度の趣旨及び法的性質 5 一般廃棄物処理業の許可申請につき不許可処分を受けた者が同申請と併せてした浄化槽清掃業の許可申請に対し,浄化槽清掃業の業務に関して同人が浄化槽法36条2号ホに該当するとして町長がした不許可処分につき,前記一般廃棄物処理業の不許可処分は取り消されるべきものであり,他に同人について不正又は不誠実な行為をするおそれがあることをうかがわせる事情は認められず,浄化槽清掃業の許可については要件裁量も効果裁量も認められないから,前記浄化槽清掃業の不許可処分は違法であるとして,同処分が取り消された事例

裁判要旨

1 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成3年法律第95号による改正前)7条2項1号の「市町村による一般廃棄物の収集,運搬及び処分」とは,市町村が自ら直接又は委託の方法によって行う一般廃棄物の収集,運搬及び処分を意味し,市町村長の許可を受けた民間業者による一般廃棄物の収集,運搬及び処分を含まない。 2 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成3年法律第95号による改正前)7条の許可制度は,生活環境保全上の支障を生じさせないために,市町村が責任をもって定めた一般廃棄物処理計画との調整を図ることを目的として,一般廃棄物処理業の営業を一般的に禁止し,前記計画遂行上必要が認められたり,前記計画との適合性が確保される場合に,この禁止を解除するといういわゆる計画許可の制度であり,同許可については,同条2項1,2号の許可要件該当性の認定判断に関し,行政庁に相当広範な裁量権が与えられているが,同条同項各号の許可要件に適合していると認められるにもかかわらず許可をしないといういわゆる効果裁量は認められないと解するのが相当である。 4 浄化槽法35条の許可制度は,生活環境の保全上支障が生じないようにすることを目的として,浄化槽清掃業の営業を一般的に禁止し,一定の技術基準に適合し,かつ,欠格事由に該当しない者に対してこの禁止を解除するといういわゆる警察許可の制度であり,同許可については,その要件の認定に裁量は認められず,かつ,いわゆる効果裁量の余地もなく,所定の規準を満たした者に対してはすべて許可が与えられるものと解するのが相当である。

全文

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