裁判例結果詳細

事件番号

昭和61(行コ)58

事件名

不作為の違法確認請求控訴事件

裁判年月日

平成2年4月25日

裁判所名

東京高等裁判所

分野

行政

判示事項

1 地方自治法242条1項にいう「財産」の意義 2 地方自治法238条1項4号にいう「その他これらに準ずる権利」の意義 3 道路法施行法5条により市が国から無償貸付けを受けている市道敷地の使用権は,民法上の使用貸借と異なるものではないから,地方自治法238条1項4号にいう「その他これらに準ずる権利」に該当せず,同法242条の2第1項,242条1項にいう「財産」に該当しないとした事例 4 道路法施行法5条により市が国から無償貸付けを受けている市道敷地の一部を隣地所有者が不法占有しているにもかかわらず,市長はこれを放置しているとして,地方自治法242条の2第1項3号に基づき,市長に対して提起された,隣地との境界を確定する措置及び前記不法占有を排除する措置等を怠る事実が違法であることの確認を求める訴えが,前記市道敷地の使用権は,同法242条1項にいう「財産」に該当しないから,同法242条の2第1項3号の訴訟類型に当たらない不適法なものであるとして,却下された事例

裁判要旨

1 地方自治法242条1項にいう「財産」は,同法237条にいう「財産」,すなわち,同法238条1項,239条,240条及び241条がそれぞれ定義する財産をいう。 2 地方自治法238条1項4号にいう「その他これらに準ずる権利」とは,債権を含まず,法律上確立している用益物権又は用益物権的性格を有する永小作権,入会権,漁業権,入漁権,租鉱権,採石権等に限定され,不動産賃借権及び民法上の使用貸借権はこれに当たらない。

全文

全文

ページ上部に戻る