裁判例結果詳細

事件番号

昭和57(行ケ)28

事件名

裁決取消請求事件

裁判年月日

昭和58年3月28日

裁判所名

東京高等裁判所

分野

行政

判示事項

1 都道府県知事が採石法33条の規定により採取計画認可処分を行う場合における認可申請者の採石権の有無に関する審査方法 2 県知事がした採石法33条の規定に基づく採取計画認可処分につき,認可申請書添付の採石権設定契約書及び岩石採取場の所有者に関する私人作成の書面に右採取場の所有者であると記載されている者が共有名義になっている同採取場を単独所有しているか否かについて紛争があり,認可申請者の採石権限が必ずしも明確でないとしても,右県知事が処分当時右採石権限のないことを知っていた等の特段の事情はなく,認可申請書添付の右各書面の記載に加え,右申請者の操業に関し従来何らの紛争も生じていないなどの事情から申請者の採石権限又はその取得の見込みを一応認定することが可能であるとして,右県知事が右採取場の共有名議人について格別の調査をすることなく,申請書に添付された右各書面が同法33条の3第2項,同法施行規則8条の15第2項7号所定の書面に当たると判断したことに違法はないとした事例 3 採石法33条の3第2項が,採取計画認可申請書に,同法施行規則8条の15第2項7号所定の書面を添付しなければならないこととしている趣旨

裁判要旨

1 都道府県知事が採石法33条の規定により採取計画認可処分を行うに当たっては,その当時,認可申請者に実体上採石権限のないことを知っている等の特段の事情のない限り,当該申請書に添付された同法33条の3第2項,同法施行規則8条の15第2項7号所定の書面から右申請者の採石権限又はその取得の見込みを一応認定することが可能である以上,この点に関して更に実体に立ち入って審査すべき義務はなく,かつ,申請書添付の書面が右各規定所定の書面に当たるか否かについては,単に書面に記載だけでなく,当該土地の現実の利用状況,申請者の操業をめぐる紛争の有無等従前の経緯をも考慮して判断することができる。 3 採石法33条の3第2項が,採取計画認可申請書に,同法施行規則8条の15第2項7号所定の書面を添付しなければならないこととしている趣旨は,採石権限がなく,かつ,これを取得する見込みのない者を排除し,無用な認可処分がされることを防止することにあるにすぎず,採石権限のない者による違法な採石行為の防止を直接の目的とするものではない。

全文

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