裁判例結果詳細

事件番号

昭和41(行ウ)9

事件名

保留地予定地払下処分取消等請求事件

裁判年月日

昭和44年10月24日

裁判所名

横浜地方裁判所

分野

行政

判示事項

1 保留地予定地に関する事業施行者の処分は,地方自治法第242条の2第1項第2号にいう行政処分に当たるか 2 事業施行者が土地区画整理法に基づく保留地予定地の所有権を取得することを停止条件としてこれを払い下げることの法的根拠 3 事業施行者が土地区画整理法に基づく保留地予定地の所有権を取得することを停止条件とする払下処分につき土地区画整理審議会のした指名競争入札によらずに随意契約をすることの承認行為は,地方自治法第242条の2第1項第2号にいう行政処分に当たるか 4 事業施行者が土地区画整理法に基づく保留地予定地の所有権を取得することを停止条件とする払下処分につき市監査委員のした監査請求棄却処分に対する取消しの訴えが,監査手続に固有な違法事由があると主張していないから不適法であるとされた事例

裁判要旨

1 土地区画整理法に基づく仮換地の指定をしない保留地予定地については,事業施行者はその土地の所有者に対し,同法第100条の2による管理のため,期日を定めて使用収益の停止を命じ,その期日以後は事業施行者がこれを管理するものであるから,右管理行為は行政庁の優越的地位における意思の発動として行政行為の性質を有し,したがって保留地予定地に関する処分は,右の意味での管理行為として,地方自治法第242条の2第1項第2号にいう行政処分に当たる。 2 土地区画整理法に基づく保留地予定地は,同法第100条の2により事業施行者が管理する土地であり,その管理方法は,同法の趣旨に反しない限り行政庁の裁量に委ねられているものであって,事業施行者が右土地の所有権を取得することを停止条件としてこれを払い下げることは,同法の趣旨に反しない管理行為である。 3 事業施行者が土地区画整理法に基づく保留地予定地の所有権を取得することを停止条件とする払下処分につき土地区画整理審議会のした指名競争入札によらずに随意契約をすることの承認行為は,市長の諮問機関としてその意思決定を補助するもので,市長の土地払下げという管理行為を決定する内部的意思決定の過程を構成するにすぎず,直接第三者に対して効果を及ぼすものではないから,地方自治法第242条の2第1項第2号にいう行政処分には当たらない。

全文

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