裁判例結果詳細
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行政事件
- 事件番号
昭和39(行ウ)4
- 事件名
事業の認定並びに土地細目の公告取消,土地収用裁決取消各請求事件
- 裁判年月日
昭和44年4月9日
- 裁判所名
宇都宮地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 土地収用法による事業認定および土地細目の公告は,抗告訴訟の対象となるか 2 土地収用法による事業認定等の取消しの訴えの提起後これにあわせて収用裁決の取消しを求める訴えが提起された場合,先行処分たる事業認定等の取消しを求める訴えの利益は消滅するか 3 土地収用法による事業認定を,同法第20条第3号にいう「土地の適正且つ合理的な利用に寄与するもの」とは認められないとして取り消した事例
- 裁判要旨
1 土地収用法による事業認定および土地細目の公告は,抗告訴訟の対象となる。 2 土地収用法による事業認定等の取消しの訴えの提起後これにあわせて収用裁決の取消しを求める訴えが提起された場合,右の各処分は,それぞれその行為主体を異にする別個の性質をもった行為であり,したがって各別にその違法理由がありうるのであって,最終段階の行政処分たる収用裁決の取消しを求める訴えが提起されたからといって,それまでは訴えの利益があるとされていた先行処分たる事業認定等の取消しを求める訴えが,この段階に至って訴えの利益を否定されると解すべき理由はない。 3 国立公園日光山内特別保護地区の一部に属する土地に対する土地収用法による事業認定の取消しを求める訴えにつき,当該土地の有する文化的価格は貴重なものであり,これは代替性のないものであって,ひとたび失われればいかに高額の費用をかけても人間の創造力のみによってはこれを復元させることは困難であるのに対し,事業計画の意図する道路事業には代替性があり,したがって道路拡幅事業のために右土地を収用し,その有する文化的価値を毀損することは,同法第20条第3号にいう「土地の適正且つ合理的な利用に寄与するもの」とは認められないとして,右事業認定を取り消した事例
- 全文