裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
高等裁判所
- 事件番号
平成2(ネ)4591
- 事件名
国家賠償請求事件
- 裁判年月日
平成4年9月24日
- 裁判所名・部
東京高等裁判所 第七民事部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第45巻3号161頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一 警察署付属の留置場の管理者が被逮捕者を留置するに当たり営造物管理権に基づいてする身体検査の方法 二 警察署付属の留置場の管理者が被逮捕者を留置するに当たってした身体検査が違法とされた事例
- 裁判要旨
一 警察署付属の留置場の管理者が被逮捕者を留置するに当たり営造物管理権に基づいてする身体検査は、被逮捕者が留置場に拘禁されたことに伴う自殺、自他傷等の事故防止もしくは留置場の秩序維持の目的で凶器等の危険物を所持しているか否かを調べるため、必要最小限度の範囲内において、かつ、その名誉や羞恥心を含む基本的人権を不当に侵害することのないような相当な方法によって行うべきである。 二 警察署付属の留置場に留置される被逮捕者が、女性であって、その経営のスナックから帰宅途中に自動車の無免許運転の現行犯として逮捕されたものであり、前科及び余罪も道路交通法違反であって、逮捕の前後の状況からその陰部に危険物隠匿の蓋然性を認めるに足る具体的事実関係が客観的に存在していたといえない場合には、留置場の管理者において、留置に伴う身体検査として、同女にその肌着全部を脱がせ、脚の屈伸運動をさせたことは、必要性に欠け、検査の許される限界を逸脱した違法なものというべきである。
- 全文