裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
高等裁判所
- 事件番号
昭和46(う)3079
- 事件名
兇器準備集合、威力業務妨害、公務執行妨害被告事件
- 裁判年月日
昭和51年2月27日
- 裁判所名・部
東京高等裁判所 第五刑事部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第29巻1号42頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 被告人らから暴行、ばとう、ひぼうを受けたことを理由に辞任を申し出た国選弁護人を解任しても解任権のゆ越濫用にならないとされた事例 二、 右解任後被告人らからされた国選弁護人の再選任請求を却下して弁護人がないまま審理判決した原審の措置が是認された事例
- 裁判要旨
一、 国選弁護人らが、被告人らから理由のない暴行、ばとう、ひぼうを受けたため、これら被告人に対する弁護活動を行なうことができなくなつたとして辞任申出をし、これがもつぱら被告人らの責に帰すべき事由によることが明らかである場合、被告人らは、当該国選弁護人による弁護を受ける権利ひいては国選弁護人の選任を請求する権利を自ら放棄したものということができるから、国選弁護人を辞任すべき正当の理があると認めて、これを解任しても解任権のゆ越ないし濫用ということはできない。 二、 任意的弁護事件において右解任後、国選弁護人を辞任のやむなきに追いこんだ事情が改善されず、なお継続するとみられる場合には、被告人らの国選弁護人の再選任請求は、権利の濫用と認めるべきであるからこれを却下し、以後弁護人のないまま審理判決した原審の措置は、やむをえないものとして肯定することができ、違憲、違法とはいえない。
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