裁判例結果詳細

事件番号

昭和43(ネ)673

事件名

建物収去土地明渡請求事件

裁判年月日

昭和46年4月27日

裁判所名・部

東京高等裁判所 第十四民事部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

第24巻2号129頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

一、 土地転貸借に基づく使用関係が客観的に表現されていないことを理由に転借権の時効取得が否定された事例 二、 土地の転借人が民法一六三条一六二条二項の無過失者にあたらないとして転借権の時効取得が否定された事例

裁判要旨

一、 地主の承諾のない転貸借において、転借人の転借地上に所有する建物が転貸人の建築したものであり、これに隣接する転貸人所有の建物と同一の構造外観を有し、かつ、転借人から転貸人に支払われる転借料がその旨地主に告知されることなく転貸人の賃料と一括して地主に支払われていた等の事情があつて、転借地上の前記建物(未登記)に転借人が居住しているほか地主に転貸借関係の存在を推測させる客観的事情の認められないときには、転貸借にもとづく使用関係が客観的に表現されたということができないから、転借権の取得時効は成立しない。 二、 転借人において当初から転借地が転貸人以外の者の所有に属することを知りながら地主の氏名、住所を調査せず、また右土地から約八〇〇メートルしか離れていない場所に居住している地主に転借に関する承諾の有無を確かめることも承諾を求めることもしなかつたときには、転借人は、右土地の占有権原を有しないことを知らなかつたことにつき無過失ということはできないから、転借権の取得時効は成立しない。

全文

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