裁判例結果詳細

事件番号

昭和41(う)2209

事件名

預金等に係る不当契約の取締に関する法律違反、背任被告事件

裁判年月日

昭和45年10月7日

裁判所名・部

東京高等裁判所 第一一刑事部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

第23巻4号707頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

一、 預金等に係る不当契約の取締に関する法律五条一項の法意 二、 同条二項の法意 三、 同条の合憲性 四、 同条の罪と背任罪との関係 五、 同法二条一項にいう「特定の第三者と通じ」の法意

裁判要旨

一、 預金等に係る不当契約の取締に関する法律五条一項は、金融機関の役職員に対し預金債権を担保とすることなく、預金者又は預金媒介者の指定する特定の第三者に資金を融通する旨を約することを禁止しその際、金融機関の役職員において預金者等が当該預金等により特別の利益を得ることを目的としていることを知りながら行なつた場合は、これを故意犯として処罰することとしたものと解すべきである。 二、 同条二項は金融機関の役職員において預金者等がこの目的をもつていることを職業上当然了知すべきであつたのに不注意により知らないで融資の約束をした場合は、これを過失犯として処罰することとしたものと解すべきである。 三、 同条は憲法三一条、三九条に違反しない。 四、 金融機関の役職員に関しては同条の罪と背任罪は択一関係と解すべきである。 五、 同法二条一項にいう「特定の第三者と通じ」とは預金者等が「特定の第三者」が何人であるかを具体的に認識しなくてもそれが特定の第三者への貸付となることの認識を有していれば足りる。

全文

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