裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
高等裁判所
- 事件番号
昭和42(ネ)2350
- 事件名
雇傭契約存在確認請求事件
- 裁判年月日
昭和45年7月18日
- 裁判所名・部
東京高等裁判所 第十民事部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第23巻3号403頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 懲戒権の根拠 二、 従業員が刑事上の処罰を受けたことが就業規則および労働協約の懲戒規定たる「不名誉な行為をして会社の体面を著しく汚したとき」しにあたらないとされた事例
- 裁判要旨
一、 使用者の懲戒権は、使用者が一方的に労働者に対し、その固有の権利として有するものではなく、使用者と労働者との間において個別的または集団的に合意がなされることによつて、はじめて生ずるものと解すべきである。 二、 会社従業員がいわゆる砂川事件の犯人として逮捕され、さらに起訴されたことが広く報道、喧伝されたが、その刑事判決は罰金二千円という比較的軽微なものであつて、一方、当該会社が従業員約三万名、資本金百億円のいわゆる巨大産業会社であり、その一事業所の従業員にすぎない者の右のような行為によつて会社の社会的評価が著しく損われたとは認められない以上、当該行為は、就業規則および労働協約の懲戒規定にいう「不名誉な行為をして会社の体面を著しく汚したとき。」にあたらない。
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