裁判例結果詳細

事件番号

昭和38(ネ)1066

事件名

損害賠償請求事件

裁判年月日

昭和44年2月24日

裁判所名・部

東京高等裁判所 第七民事部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

第22巻1号80頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

一、 国際海上物品運送法第一二条第一項本文の要件を充たす損傷の通知を発したものと認められた事例 二、 国際海上物品運送法第七条第一項第三号にいう外部から認められる運送品の状態の意義 三、 船荷証券上の「運送品を外観上良好な状態において船積した」旨の記載の意義 四、 船荷証券上に前項の記載がされているとき判示のする。運送品の荷揚後荷造箱等の外部からみて中味が破損していることが認められる場合と損傷時期の推定

裁判要旨

一、 運送品が判示のように荷造されているため包装を解いて検査しなければその損傷についての具体的な記載が困難な場合には、運送品に損傷のある旨および判示損害検査の立会を求める旨を記載した書面による通知を発すれば、国際海上物品運送法第一二条第一項本文の要件を充たすものと解するのが相当である。 二、 国際海上物品運送法第七条第一項第三号にいう外部から認められる運送品の状態とは、包装ないし荷造されていて運送品自体を外部から見ることができない場合においても、たんに包装・荷造の状態のみならず、運送人が取引上相当の注意をもつて外部から観察することによつて感知できる運送品そのものの状態(たとえば異常な音響や臭気を発すること等)をいうのであつて、相当の注意を尽しても感知できない包装・荷造の内部の状態まで意味するものではない。 三、 船荷証券上の「運送品を外観上良好な状態において船積した」旨の記載は、包装ないし荷造されていて運送品自体を外部から見ることができない場合には、右包装・荷造が外観上異常なく、かつ、運送品を目的地に運送するのに十分な状態であるとともに、運送品そのものが相当な注意をもつてしても外部からはなんらの異常も感知できないことを認めたものではあるが、それ以上に運送人において中味の運送品が損傷のない良好な状態であるという外部から観察できないことまでも承認したことを表示するものではないと解すべきである。 四、 船荷証券上に前項の記載がされているとき、右運送品の荷揚後荷造箱等の外部からみて中味が破損していることが認められる場合には、特段の事情のないかぎり、中味の損傷は運送品の船積後荷揚前に生じたものと推定するのが相当である。

全文

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