裁判例結果詳細

事件番号

昭和34(う)529

事件名

関税法違反被告事件

裁判年月日

昭和36年2月14日

裁判所名・部

東京高等裁判所 第八刑事部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

第14巻2号63頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

一、 関税法第一一八条にいう犯罪貨物が関係犯則者の一人から没収され国庫に帰属した場合と他の関係犯則者に対する没収または追徴 二、 関税法第一一八条の犯罪貨物が数人の犯人の間に順次譲渡された後善意の第三者に帰属した場合の追徴 三、 関税法第一一八条の犯罪貨物が数人の犯人の間に順次譲渡された場合と没収の言渡

裁判要旨

一、 関税法第一一八条の規定により、同一の犯罪貨物等について、関係犯則者(共犯たると否とを問わない)の一人から没収があり、これが国庫に帰属した以上は、他の関係犯則者に対しその物の没収またはこれに代わる追徴を言い渡すことは許されない。 二、 関税法第一一八条の犯罪貨物等が数人の犯人の間に順次譲渡された後、その没収すべき物が善意の第三者の所有に帰したため関税法第一一八条第一項第二号により没収しない場合には、その数人の犯人には、いずれも同条第二項の規定により没収に代わる追徴の言渡を受くべき責任は存するけれども、その一人から既に犯罪の行われた時の価格に相当する金額が追徴され国庫に帰属した以上、更に他の関係犯則者から右金額を追徴することは許されない。 三、 関税法第一一八条の犯罪貨物を犯人が譲渡した場合に、譲受人が犯罪貨物であることの情を知つている限り、その物が犯人の所有に属していなくても、これを犯人から没収すべきものであつて、右犯罪貨物が数人の情を知つている犯人の間に順次譲渡され最終譲受人の手中にある間に右数人について公訴が提起された場合には、その犯罪貨物は、同条の規定により右数人の犯人から没収する旨言い渡すべきである。

全文

全文

ページ上部に戻る