裁判例結果詳細
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高等裁判所
- 事件番号
昭和33(ネ)2148
- 事件名
不当利得返還請求事件
- 裁判年月日
昭和35年1月27日
- 裁判所名・部
東京高等裁判所 第一民事部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第13巻1号44頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 抵当権者に配当すべき公売代金を誤つて滞納国税に充当した場合と不当利得の成否 二、 抵当物件が抵当権設定後第三者に譲渡された場合における旧国税徴収法第三条の適用 三、 地方団体が交付要求をしなかつた場合における地方税の優先権の有無
- 裁判要旨
一、 旧国税徴収法第二八条によつて公売代金を充当配分するにあたり、本来抵当権者に配当すべき金員を誤つて滞納国税に充当した場合は、国庫は右抵当権者に対し、不当利得返還の責に任ずべきである。 二、 抵当物件が抵当権設定後第三者に譲渡された場合においても、その抵当権が旧国税徴収法の下において国税に優先し得るためには、同法第三条所定の要件を具備することを要する。右の場合において、その抵当権の設定が同条にいう「国税ノ納期限ヨリ一箇年前二在ルコト」の要件を具備するかどうかの判定にあたつては、抵当物件の譲受人の納税義務を基準とすべきでなく、抵当権設定者の納税義務を基準とすべきである。 三、 実体上、地方団体が優先的に地方税を徴収し得る場合であつても、当該納税者の一財産が国税の滞納によつて滞納処分を受けたときは、地方団体は交付要求をしない以上、当然には売得金の交付を受けることはできない。
- 全文