昭和31(ネ)1393
損害賠償請求事件
昭和33年11月26日
東京高等裁判所 第七民事部
第11巻10号698頁
民法第一条第二項の適用された一事例
庶民住宅建設の目的で国がその所有の土地建物を財団法人甲に払下げるためなした売買契約の条項に、売買代金の納入期限をすぎて代金の支払がないときは、無条件で契約を解除できる旨の特約があつて甲が期限に代金を支払わなかつたため国がみぎ条項にもとづき契約解除の意思表示をした場合において、甲がただちに売買の目的物件たる土地建物の引渡を得られないなど判示のような特殊の事情があるときは、みぎ解除の意思表示は民法第一条第二項の信義誠実の原則に違反し無効というべきである。
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