裁判例結果詳細

事件番号

昭和30(う)1868

事件名

強盗未遂窃盗被告事件

裁判年月日

昭和31年1月17日

裁判所名・部

東京高等裁判所 第六刑事部

結果

棄却

高裁判例集登載巻・号・頁

第9巻1号9頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

一、 被脅迫者が精神薄弱者で畏怖を感ぜず金員の要求に応じなかつた場合と強盗未遂罪の成否 二、 被脅迫者の顔つきや風態が異様であつて気味が悪くなつて犯行を止めた場合は中止犯か

裁判要旨

一、 玩具用のピストルを本物の拳銃のように擬して脅迫し、金品を強取しようとしたが、被脅迫者が目つきも普通人と変つて居り頭髪を長く肩まで垂らしているなど、顔つきや風態も異様な点があり、また智能程度も普通人より低くピストルを見ても驚きもせず、平然としていて金を出せと云う脅迫にも応ずる気配がなかつたため、強盗の目的を達することができなかつた場合は、強盗未遂罪が成立する。 二、 被脅迫者が精神薄弱者で、顔つきや風態が異様であり、脅迫されても余りに平然としているのを見て犯人において却つて気味が悪くなりその犯行を止めるに至つたとしても、このような事例は決して犯人に特殊なものとは認められず、その過程においてピストルが玩具であることを見破られたかと恐れあるいは逮捕されることを恐れて犯行を中止するのは極めて一般的な事柄であると認められるから、この場合は障擬未遂であつて、中止未遂は成立しない。

全文

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