裁判例結果詳細

事件番号

昭和27(行ナ)32

事件名

最高裁判所裁判官国民審査の効力に対する異議事件

裁判年月日

昭和29年11月9日

裁判所名・部

東京高等裁判所 第四特別部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

第7巻11号943頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

一、 最高裁判所裁判官国民審査制度の本質 二、 最高裁判所裁判官国民審査法第一二条第一三条の規定の合憲性 三、 審査に付された最高裁判所裁判官が二人以上ある場合と投票の趣旨 及び効果の判定 四、 同法第一四条第一五条第一六条第二二条の規定の合憲性 五、 同法第三二条の規定の合憲性

裁判要旨

一、 憲法第七九条所定の最高裁判所の裁判官の任命に関する国民審査は国民の公務員選定権に基き裁判官の任命の適否を国民に問う制度ではなくて、国民の公務員罷免権に基き裁判官の今後の在任の可否を国民において審査する制度である。 二、 最高裁判所裁判官国民審査法第一二条、第一三条の規定は、それ自体当然審査の投票を強制するものでなく、従つて憲法第一三条に違反しない。 三、 国民審査は性質上特定の一人の最高裁判所裁判官について行われるべきものであり、この理は審査に付される二人以上の裁判官について同じ一枚の投票用紙を用いる場合にも変ることなく、投票の趣旨及び効果はその各裁判官についての欄毎に各別に定めらるべきものである。 四、 審査法第一四条、第一五条、第一六条、第二二条の規定は、憲法第七九条第二項第三項に従い、審査の投票には罷免を可とする投票とそうでない投票との二種しかないものとし、又、連記投票の場合でも審査人には各裁判官について棄権する自由並びに方法があるものとし、そして審査人が罷免を不可とするときは投票用紙に何も記載しないでこれを投かんすべきものと定めている以上およそ投票の方式は投票用紙に必ずしも文字又は記号を記載して投かんする方法でなけれはならないと限るべき訳もないのであるから、何も記載しない投票は罷免を不可とする投票となり、憲法第一五条、第一九条、第二一条に違反するところはない。 五、 審査法第三二条は、投票に表示せられた投票者の意思に従いそれに相応する効果を付与しているにすぎないから、憲法第一九条、第二一条に違反しない。

全文

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添付文書1

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