裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
高等裁判所
- 事件番号
昭和28(ラ)377
- 事件名
競落許可決定に対する抗告事件
- 裁判年月日
昭和28年12月12日
- 裁判所名・部
東京高等裁判所 第四民事部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第6巻12号816頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 競落許可決定により申立人の被むるべき違法の損失 二、 不動産の競売と賃貸借の期限及び借賃の取調 三、 数個の不動産の一括競売と利害関係人の同意 四、 競売調書の証明力 五、 不動産の競売と執行吏を鑑定人に選任することの適否 六、 競落期日の調書と利害関係人の出頭不出頭の記載
- 裁判要旨
一、 競落許可決定により申立人の被むるべき違法の損失は、かかる違法がなかつたならばより高価に競売されたはずであり、その売得金から弁済を受くべき立場にある申立人がその価額と競落を許可した代金との差額を失うことにある。 二、 競売法による不動産の競売手続において、債権者が競売の目的たる地所、建物につき賃貸借の期限及び借賃の取調を申請しないときは、裁判所は、賃貸借がないものとして手続を進行すべく、職権をもつてその取調を命ずべきでない。 三、 数個の不動産を一括して競売に付するためには、必ずしも利害関係人の同意をうることを必要としない。 四、 競売調書は執行吏の作成する公正証書であるから、その偽造もしくは変造になる旨の反証を提出するのでなければその記載内容の真正を争うことはできない。 五、 競売法による不動産の競売手続において競売に付すべき不動産の評価をなさしめるため、裁判所がその命令に服する執行吏を鑑定人に選任することは妨げない。 六、 競落期日の調書に利害関係人の出頭、不出頭を明確ならしめることは必ずしも必要でない。
- 全文