裁判例結果詳細

事件番号

昭和28(う)388

事件名

失業保険法竝びに労働基準法違反被告事件

裁判年月日

昭和28年10月29日

裁判所名・部

東京高等裁判所 第九刑事部

結果

破棄自判

高裁判例集登載巻・号・頁

第6巻11号1536頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

失業保険料納付義務の履行を期待すること不可能であるとして故意責任なしと認めた一事例

裁判要旨

電気機械器具電球等の製造事業を営む会社の工場長としてその工場の管理に当つている被告人が、その代理人として納付義務を有する失業保険料の納付を怠つた当時において、会社の経理状況が終戦後のインフレーシヨンと統制経済による原料価格と製品価格との不均衡、過剰従業員による人件費の増大等に基く事業採算の困難、一般生活費の高騰に基因する従業員の賃上要求による長期間のストライキから生じた生産低下等により、唯さえ経理の困難さが存在したのに加えて、これらが延いては金融機関よりの融資の円滑を妨げる材料となり、益々経理状況に悪化を加えていた事情もあつて、右会社本店からの送金が遅れていた反面、その工場長として自由裁量を許される手許資金もなくまた独自の権限で融資を受ける方法等もなかつた事情にあることが認められる場合においては、前記納付義務の履行を期待することは不可能と認めるのが相当であつて、不履行につき故意責任のなかつたものと解すべきである。

全文

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