裁判例結果詳細

事件番号

昭和25(行ナ)10

事件名

審決取消請求事件

裁判年月日

昭和28年8月29日

裁判所名・部

東京高等裁判所 第三特別部

結果

棄却

高裁判例集登載巻・号・頁

第6巻11号667頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

一、 裁判所が公正取引委員会の審決不服の訴において審決の当否を判断するについて基準とすべき法律 二、 審決の基準とした法律の改正(禁止規定の削除)が審決におよぼす効力 三、 審決後の事情の変化をしんしやくすることの可否 四、 裁判所の審査する証拠の範囲と裁判所の審査の限界

裁判要旨

一、 私的独占禁止法第八二条第二項にいう「憲法その他の法令」とは公正取引委員会が審決をした時におけるそれと解すべきものである。 二、 旧法において禁止されていた行為が改正法によつて適法行為となつたときは、その行為の禁止を命じている審決主文は、将来に向つて、当然に、その内容のもつ実質的な拘束力を失い、その後は被審人に対し禁止の効力を持続することがない。従つて公正取引委員会ないし裁判所がその意味の審決の取消又は無効宣言をすることを要しない。 三、 私的独占禁止法第六六条第二項にいう「経済事情の変化その他の事由により、審決の基礎となつた事実が消滅し、若しくは変更した」ことは、裁判所が審決の当否を判断する資料たり得ない。 四、 実質的な証拠は、審判開始前のものを含めて当該事件に関する一切の記録、すなわち公正取引委員会が「当該事件の記録」として裁判所に送付したものの中に存すれば足りる。 証拠の取捨選択は、事実認定について権限を有する公正取引委員会のなすべきことであり、同委員会の証拠判断が経験則に反せず、合理的であるならば裁判所はこれに拘束される。

全文

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