裁判例結果詳細
裁判例結果詳細
高等裁判所
- 事件番号
昭和27(う)1674
- 事件名
昭和二一年勅令第三一一号違反被告事件
- 裁判年月日
昭和27年7月15日
- 裁判所名・部
東京高等裁判所 第五刑事部
- 結果
棄却
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第5巻8号1342頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一、 昭和二一年勅令第三一一号(昭和二五年政令第三二五号)および昭和二七年法律第一三七号第三条第一項の性格 二、 平和条約発効による指令、覚書の権威的根拠の消滅と前記勅令(又は政令)所定の刑の廃止の有無 三、 「言論及び新聞の自由」の覚書これを引用する前記勅令(又は政令)および前記法律第一三七号第三条第一項の憲法第二一条違反の有無
- 裁判要旨
一、 昭和二一年勅令第三一一【号(昭和二五年政令第三二五号)は、その立法当初から平和条約の発効とともに当然廃止さるべきことを予想されていたいわゆる限時法的性格を有する法規であり、その平和条約発効前の違反者に対し、発効後においてもその罰則を適用し得ることは当然のことに属し、その旨を規定した昭和二七年法律第一三七号第三条第一項は、いわゆる宣言的規定である。 二、 平和条約発効によつて、たとえ右勅令(又は政令)の内容となつている達合国最高司令官の日本国政府に対する指令や覚書等の権威的根拠が消滅したとしても、この種のものは右勅令(又は政令)により国法的性格が与えられたものとみるべきであるから、このために刑の廃止があつたものとは認められない。 三、 昭和二〇年SCAPIN第一六号「言論及び新聞の自由」、これを引用した前記勅令第三一一号(又は政令第三二五号)および平和条約発効後において発効前の違反者に対し右法令を適用しようとする前記法律第一三七号第三条第三項は、いずれも憲法第二一条に違反しない。
- 全文